“技術が上手い”だけでは届かない。表現力が問われたAJC2026
今回のコンテストのテーマは「カジュアルモード」。編みおろしに限定されたスタイルと写真形式の中で、それぞれの美容師が“どう魅せるか”を競う内容となりました。
審査では技術だけでなく、衣装や構図、世界観まで含めた総合的な完成度が評価されます。
審査員からも「予想以上にレベルが高く、僅差で非常に悩んだ」と声が上がるほど、ハイレベルな戦いとなりました。
結果発表|AJC2026受賞者一覧
この投稿をInstagramで見る
コンテストは、日本編みおろし会(@amioroshi.japan)のアカウントでオンラインで開催されました。
今回の主な受賞者は以下の通りです。
・グランプリ:ななみさん(@nanami__hair)
・準グランプリ:ちあきさん(@ameiro_chiaki)
そのほかにも各審査員賞・協賛賞が設けられ、多角的な視点から作品が選出。
その中で審査員賞のひとつ「BT賞」を受賞したのが、hair make applause.代表・浦西 克弥さんです。
Beauty Terminal賞受賞・浦西 克弥さんにフォーカス

この投稿をInstagramで見る
(BT賞 受賞作品)
受賞作品で印象的だったのは、技術の高さに加え、“全体の見せ方”まで設計されたバランス。
今回は、作品に込めた想いやこれまでの歩みについてお話を伺いました。
苦手からのスタート。それでも向き合い続けた理由

もともと浦西さんにとって、ヘアアレンジは苦手な技術のひとつ。
開業当初はヘアアレンジをメニューにも入れず、依頼があっても他店を紹介していたほどでした。
そんな中、転機となったのが一人のお客様の存在です。
成人式のアレンジを依頼されたものの断ってしまい、そのときに見せたどこか悲しそうで寂しそうでもある表情が、強く心に残ったといいます。
「逃げていたのは自分だった」
そう気づいた浦西さんは、そのお客様に「1年後に一番可愛くする」と約束。そこから、1年間の徹底的な練習が始まりました。
SNSでヘアアレンジ技術の高い美容師に自ら連絡して県外まで足を運び、環境に頼らず、自ら動き続けることで技術を磨いていきました。
その後、成人式のお客様のヘアアレンジを可愛く作る事ができ、努力が報われた気がしたそうです。
続けた先に見えた“変化”。苦手が自信に変わるまで

努力を重ねた結果、ヘアアレンジを始めて3年目にコンテストで受賞。
苦手だった技術が、自信へと変わる大きな転機となりました。
現在はサロンワークに加え、美容専門学校での講師活動やセミナー登壇など、活動の幅も広がっています。
「やってきたことが形になった」
その実感が、次の挑戦を支える軸になっているといいます。
今回の作品に込めた“挑戦”

今回のAJC2026のテーマである「カジュアルモード」は、自分の得意ではないジャンルだったといいます。
普段は“可愛い・柔らかい”スタイルを得意とする中で、今回はデニムジャケットを取り入れたカジュアルウェディングのイメージで作品を構成。
それに加えて、制作は撮影後の限られた時間と環境の中で行われたものだそうです。
まさかの「居酒屋とスタジオの間の階段の踊り場」という、椅子も鏡もない思いもしない環境で、約30分という短時間で仕上げた作品でした。

思いのままに仕上げたデザインでは「奥行き・配置・曲線」のバランスを重視されたそうです。
シンプルな構成の中でも複雑に見える立体感と、美術部の経験もある浦西さんの見せ方によって、印象を変える工夫が随所に施されていますね。
“失敗ではなく "まだ" 途中経過”という考え方

これまで多くの挑戦を重ねてきた浦西さんに、困難とどう向き合ってきたのかを聞きました。
大切にされてているのは、「失敗は途中経過でしかない」という考え方。
うまくいかなかった経験も、「次につながるステップ」として捉える。また、「やる気も最初からあるものではなく、やり続けた先に生まれるもの」とも語ります。
SNSでの比較や評価に悩みやすい時代だからこそ
・自分の事を批判する周りの事は気にせずに、自分のペースで続ける事
・途中で諦めない事
その大切さを、若い美容師さんや美容師として伸び悩んでる方に伝えたいと話してくれました。
挑戦を続ける理由と、これからの目標

コンテストへの挑戦を続ける理由について、「自分の成長だけでなく、若い世代への刺激になれば」と語る浦西さん。
年齢を重ねるにつれて挑戦から離れる人も多い中で、挑戦し続ける姿そのものが、誰かの背中を押す存在になっています。
今後は、自身の発信を通じて「苦手意識を持つ美容師の後押しができる存在」に。
ヘアアレンジの可能性をさらに広げていきたいと話します。
美容師へのメッセージ
「挑戦するのも諦めるのも自分次第。
人の評価ではなく、自分が好きだと思える気持ちを大切にしてほしい。
結果が出ていなくても、それはまだ途中なだけ。
諦めずに続けていけば、何かは変わると思います。」
まとめ|“挑戦すること”が次につながる

AJC2026は、単なる技術の競い合いではなく、それぞれの美容師が“自分の表現”と向き合う場となりました。
浦西さんのストーリーから見えてくるのは、最初から得意だったわけではなく、「苦手と向き合い続けた先に結果がある」ということ。
コンテストは“特別な人のもの”ではなく、自分の可能性を広げるための一つの選択肢です。
“できない”で終わるのか、“挑戦する”に変えるのか。
その選択が、未来の自分を大きく変えていきます。
編みおろしという技術を通して、人と人をつなぎ、次世代へとつないでいく。
その広がりは、これからも続いていきそうです。
今回のAJC2026で印象的だったのは、「技術」だけでは評価されない時代において、どこまで“自分の表現”を突き詰められるかという点でした。
Katsuyaさんのストーリーからもわかるように、最初から得意だったわけではなく、むしろ苦手と向き合い続けた先に今回の受賞があります。
“できない”を理由に止まるのか、それとも挑戦に変えるのか。その選択が、未来の自分を大きく変えていくのだと感じさせられる内容でした。









