傷めない!使いやすい黒木式酸性ストレート

四方田

本日のインスタライブは、ジュエルコスメさんの「パームズラボ」を使って、CHARLES DESSIN の黒木さんに『傷めない!使いやすい黒木式酸性ストレート』のモデル施術をしていただきます!

 

黒木さん

普段僕らがやっている「黒木式」は、卓越した知識と技術を必要とするんですが、今回はまだあんまりストレートの勉強はしてないよって方でもトライできる方法でやっていきます。

一旦広いゴールに着地するような比較的失敗が少ないストレートパーマをお伝えさせていただきますね!

モデルさんの履歴

黒木さん

今日のモデルさんの履歴は少し複雑です。

途中から酸熱によるうねりもあり、ハイライトがたくさん入っていて、カラーもされていますね。

 

 

一見、どこからが酸熱履歴で危険なゾーンなのかっていうのはわかりにくいですよね?

ダメージレベルに合わせて薬剤を塗り分けるんですけど、そのラインが難しいんですよね。 

「LABO1 クリーム4.0」の単品使いと必殺技

黒木さん

今日はなんと、パーマ液は「LABO1 クリーム4.0」しか使いません。

pH4のスペックそのままでいきましょう。

 

 

ただ単体でいくと、ダメージレベルが根本と毛先で違いすぎるので、「根本は若干伸びずに、毛先は若干ダメージがひどくなる」っていうのはもう目に見えてるんですよ。

 

そういうときのために、必殺技をお伝えします。

今日使うのは、Xトリートメントさんの「Xブースター」です。

 

LABO1 クリーム4.0」の総量630gに対してXブースターを3%、つまり18.9g入れました。

 

この「Xブースター」のpHが、pH4よりもちょっと高いので、アンダーセブンさんの「POWDER PLEX RED 」っていう、pHを下げられるプレックス剤もちょっとだけ入れます。

 

LABO1 クリーム4.0

pH4.0のクリームタイプ。主にストレート式、デジ式に使用。(400g)

パーマ液のアルカリ剤と還元剤について

黒木さん

パーマ液っていうのは還元剤アルカリ剤でできてるんですよ。

 

これは基礎知識なんですが、アルカリ性アルカリ度って訳が違うんですね。

 

アルカリ性」とは単純にpHのことです。

pHがアルカリに振ってるってことなんですよ。

 

そして「アルカリ度」っていうのは、アルカリに引っ張る力のことをいいます。

 

皆さんが手に入れられる還元剤の中、でアルカリに引っ張る力が最も強いのはMEA(モノエタノールアミン)です。

その次はアンモニア。

一番穏やかにpHを上げていくのがアルギニンですね。

 

 

次に還元剤です。

「LABO1 クリーム4.0」には、チオは2%システアミンは4%配合されています。

 

それがどれぐらいかっていうと、システアミンに関しては薬機法で定められている限界量が5.9%なので、マイルドな還元剤ってことです。

ただ今の話は、pH次第なんですよ。

 

これがもしpH5.5だと、システアミンの活性力って強くなるので、相当強いパーマ液になります。

 

システアミンチオって多くの人がちょっと勘違いしがちなんですよね。

チオの方が強くあたるって思う人が多いんですけど実際はシステアミンです。

 

なので今回は実質のところ、システアミンが効いてくるよってことですね。

チオはpH4だとほぼ効かないですし、配合量2%ですから、これはおまけ程度のものって感じです。

注目の塗布方法まとめ!

黒木さん

pH4の薬剤を1種類で塗るとどうなるかって、皆さん想像つくと思うんですけど、「根本は伸びなくて毛先が痛む」ってイメージあるでしょ。

 

今回の施術も、ちょっとこの毛先には強いんじゃないかなって感じなんですよね。

なのでプレックス剤を入れることによって、シスチン結合を守るってことをしていきます。

 

四方田

GMTの添加も無しですか?

 

黒木さん

GMTも入れませんよ〜!

 

ではブロッキングして塗っていきましょう!

根本はバージン毛なので2センチ外して、毛先はちょっと塗布量を薄くするイメージで塗っています。

毛髪が傷むので、塗りながらハケでコーミングしないでくださいね。

 

 

四方田

スライス幅はどれくらいですか?

 

黒木さん

ちょっと幅広で、1.5センチ取ってます。

ハケでのコーミングはぜず、指コーミングで引っかけないように優しくします。

 

 

ブロッキングなんですけど、バックをちょっと狭くとってるんです。

 

なんでかというと、僕が塗ってるバックがまさに一番クセが強くて、伸びにくい健康な部位なんですよね。

ここのブロッキングを広くとると、やっぱり塗りムラになりやすいので注意です。

 

 

薬剤がすごく弱いので、塗布量はかなり積んでいきます。

特に根本を見ていただいたら、もう毛が見えなくなるぐらいですよね。

要はこれくらい積まないと、弱い薬剤だとかかりが悪いよってことです。

 

そして裏にはペーパーを貼っていくんですよ。

ペーパーを貼ることで頭皮に薬剤がつくのを防いでくれます。

 

 

今日のパターンは、全頭ワンタッチなので指についた薬剤が毛先についても大丈夫です。

もっとシビアに塗り分けたりもすることもあるんですけどね。

 

四方田

薬剤の匂いがあまりしないですね。

 

黒木さん

そうそう、全然しないですね。

 

表面の毛を置いといたんですけど、その理由は、表面ってサイドやバッグに比べるとダメージしているエリアでしょ。

これを後ろから順にそのまま塗る方が多いんですけど、表面は表面だけ後から塗ってあげた方がタイムラグが作れるんですよ。

 

 

さて、塗り終わってもpH4だとほぼ軟化しないんですよね。

軟化しないので、ロッドを巻いて還元チェックっていうのをするんですね。

 

チェックのパーマロッドを巻くときは、今日は塗り分けていないので横から引っ張ってきます。

塗り分けてるときは、毛先から引っ張り出しますよ。

 

 

ペーパーで挟んでいただいたら、引っ張らずになるべくロッドの端っこからスクリュー状に巻いてください。

今日は毛が長いので、なるべく詰めて巻きます。

 

 

テンションをかけて巻くとリッジが出なくなるので、正しい還元を見損ないます。

 

心配だったら、毛先を引っ張ってチェックしてみてもいいですよ。

これウエットの時のほうがビヨンビヨンだったんですけど今ちょっと張りが出て、逆に硬くなってるんですよ。

 

酸熱もカラーもしっかり入ってる部分ですけど、引っ張っても伸びないでしょ。

これは、架橋作用が起こっていて毛髪に芯ができてきている状態ってことですね。

 

今日は髪の毛の質感を上げながらストレートにすることを両軸でやってるような感じですね。

パームズラボの薬剤でのスペック表を公開

パームズラボさんの薬剤で「どれぐらいの毛髪にかけられるか」のスペック表を黒木さんが徹底的に解説してくださいました!

 

 

毛髪診断の鍵となるスペック表については、アーカイブの「41分」から是非動画でご覧ください!

30分放置して還元チェック

では26分経ったのでチェックします。

大体30分でチェックしたらちょうどいい薬剤選定にしています。

 

 

どうですか?伸びてないでしょ〜。

芯がありますね。

 

ロッドも外して見ていきましょう。

強く引っ張るとそれだけでリッジが取れるので、外すときもゆっくり引っ張らずに外してくださいね。

 

髪の毛が素直に巻いてくる位置を見ましょう。

還元チェックのちょうどいい位置っていうのは、ロッド経の2.5倍としています。

 

つまり、根本部分は3倍ですよってことです。

中間は2.5倍ですね。

毛先でいくと、2.5倍ちょっと切るぐらいかな。

 

 

というわけなので、根本はまだ足りてないような状態です。

でも中間毛先はパーマがもう当たる状態までかかってることです。

 

ちょうど今30分ですね、さあ流しますよ。 

水洗と中間処理まとめ

黒木さん

お湯は37度くらいのぬるめにします。

この中間水洗や中間処理が甘いっていうパターンが非常に多いんですよ。

もうしっかり流れたと思ってから、さらに3回は流しましょうね。

 

 

その他にも、

・毛髪をこすらずに水圧で流すイメージ

・毛髪の中に還元剤を残留させないようにしっかり流す

・アイロンと熱から守る中間処理の手順

 

など、大切な水洗から中間処理は、アーカイブの「1時間4分」からご覧いただけます^

ドライ&アイロンまとめ

黒木さんの有料級ライブはまだまだ続きますよ!

ここではドライ&アイロンについて解説いただいたポイントをまとめてご紹介します。


詳しくはアーカイブをご覧ください!

 

・ミストとオイルをつけてから低音爆風のドライヤーでフルドライ

・アイロン時に毛が折れないように、毛髪は毛穴を見て毛流れ通り乾かす

・還元が甘めだった根本は、水分と脂質を補給しながらアイロンを通していく

・アイロンはghd

・温度は185度

・スライス幅は8mmで、45度の角度をつけて入れる

・根本に高速でアイロンを入れ、補給した水分を飛ばしながらアイロンを入れる

・アイロンの種類や温度は、お客さまの髪質によって変える

・アイロンの選び方とスルーのスピード、プレスの考え方

・仕上がりがパヤパヤしやすい短い毛も綺麗にアイロンする方法

 

 

アイロン施術は、アーカイブの「1時間 28分」からご覧いただけます!

2液と後処理まとめ

30分かからない奇跡の爆速アイロンが終わったら、次は大切な2剤の処理です!

スピードを重視した2液の施術の方法や、有益な質問のQ&Aもご覧いただけます!

 

・過収斂して硬くならないように、酸熱履歴のところには脂質を補給してから2液

・シャンプー台で温めておいたリキッドタイプの2液を塗布

・2液の選び方と考え方

・2液の後は処理剤を残さないため、シャンプーと水洗をしっかりする

 

 

2液の施術は、アーカイブの「1時間 58分」からご覧ください!

感動の仕上がり

そして気になる仕上がりは、、、

 

 

難しいロングのモデルさんを、なんと2時間半で終わらせるという脅威のスピード!

 

 

仕上げのアイロンもせず、オイルもつけず、ドライだけでこの仕上がり

薬剤の匂いも一切残らず、やわらかく、より健康に、自然な仕上がりです!

 

美容師さんであるモデルさんも、髪を触って「えっ!やばい!」と言葉が漏れてしまう感動の仕上がりでした!

 

黒木さん

【酸性ストレートって時間がかかる・難しい】って言われている世の中で、いかに『早く・簡単に』施術することができるのかってことをお伝えしました。

必要な知識は?自分に足りない技術は何か?

 

簡単なやり方はお伝えしましたが、これを見て必要なテクニックを練習して身につけていただいて、諦めないで挑戦していただきたいですね!

アーカイブはこちらから

今回は『酸性ストレートが簡単に出来る』をテーマに、ジュエルコスメさんの「パームズラボ4.0クリーム」を使った施術のレクチャーでした^^

視聴者さんからの深い質問も止まらず、どれだけの美容師さんが酸性ストレートに悩み、身に付けようとされているのかが伝わるライブとなりました! 

 

酸性ストレートについての技術や情報が詰まったアーカイブを是非ご覧ください!

 
 
 
 
 
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パームズラボとは

パーマを愛する美容師チーム

『Perm’sラボ』から生まれた 【真酸性】カール&ストレート

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LABO1 クリーム4.0 

pH4.0のクリームタイプ。

主にストレート式、デジ式に使用。(400g)

 

プロフィール

黒木 利光(くろき としみつ)

CHARLES DESSIN|代表

instagram:@charlesdessin_kuroki 

ブリーチ集団『BOC』、美容技術に特化した7名のスペシャリスト集団『YAVENGERS』創立メンバー。 関西クリエイティブ美容師集団『クリエイティ部』部長。 JHA大賞部門ノミネート、三都杯グランプリ、ゴールドウェルカラーズーム2015、2016ジャパングランプリなどビッグタイトル多数。

個人最高売上850万、客単価8万円超。 大阪東京サロンワークの他、世界各地にてセミナー講師活動など多忙を極める。 年間セミナーは最多260本を超える。

2022年11月よりBeauty Terminalのアプリアンバサダーを務める。 

EDITOR’S REVIEW

事故にならない安全な薬剤選定でクセを伸ばすため、アイロン技術や処理知識はもちろん必要ではありますが、こんなに早く安全に、綺麗にすることが出来るんだととても勉強になりましたよね! 複雑履歴にも関わらず、柔らかい仕上がりには本当に感動でした!!黒木さんありがとうございました!