KUMAさんプロフィール
KUMAさん
東京都町田 / カラーリスト美容師 8年目 28歳
Instagram:@kkkkk0420
過去に白髪染めサロンで勤務した経歴もあり。
500種類以上のカラー剤、ブリーチ、オキシ等の検証・解説をされているオンラインサロン「KUMAラボ」を運営されています!
フィヨーレの特徴
まず特徴から挙げていくと、
・1番は 120g 入っているということ
・薬自体も柔らかめですごく塗りやすい
・コスパが良い
というところが人気の理由ではないでしょうか。
僕個人の感想としては、以前は発色がいいというより“くすみ”がある印象でしたが、今は「クオルシア」も出たことにより色味が強いカラーも作りやすくなって、ほとんどの色味が表現できるマルチなカラー剤だと思います。
「BLカラー 」色別解説
N N natural
この N は少し変わった N で、ブラウンではなくほぼ白と思って良いですね。 僕は「クリアにブラウンのニュアンスが含まれるような感覚」で使っています。 他社さんのブラウンと比べてすこしマット感がありますね。
⚠️ブラウンを作りたい時に「ブラウン味」が出てこないので注意です。
MT monotone
使いやすい純粋なグレーです。
GN grey natural
グレーだけど、ちょいブラウンという感じ。 グレージュとして使うといいかもしれません◎
〈 KUMAさんメモ 〉
『ブラウン系はトーンによって色味のニュアンスが変わる』
6トーンを薄めたら 10トーンと同じになっていくわけではなく、 ブラウン系は6、8、10トーンで少し違ってくる傾向がある。
⚠️ GN ももしかしたら当てはまるかもしれません。
GA grey ash
くすみが強く、青味があるアッシュ系ですね。 GA は1本で使ってもグレー味があるので綺麗です。
▶︎ 使用例
・MT と混ぜると、寒色味の強いグレー系が表現できる
・オレンジ味を消してグレー系にしたい時に MT と混ぜて使う
GP grey pink
難しいけど、人気ですごくいいカラー剤です。 1本で使いやすく、ピンクベージュっぽい感じですね。
▶︎ 使用例
・N に 10GP を混ぜて、柔らかいホワイトベージュ系
・ベージュ系のニュアンス付け
⚠️「ピンク」を希望のお客様に GP 単品だと、ベージュ味が勝つので薄いかも
→ クオルシアの P と混ぜたりしてあげるといい
〈 KUMAさんメモ 〉
・使い方の感覚が大事
・10トーンになってくると、ピンクだけどグレー味(寒色味)が出てくる (柔らかくしたくて補色で10%入れた際に、シルバーに寄った経験あり)。
GB grey brown
ザ・茶色っていう感じの一番ブラウンです。(少し暖色寄り) 単色で使ってしまうと今っぽくないかも。
GNB grey natural brown
寒色ブラウンですね。 これ1本でもミルクティーっぽい感じが表現できます。
▶︎ 使用例
・単品でミルクティーブラウン
・薄めるとミルクティーベージュ
・さらに薄めてホワイトベージュも表現できるのでかなり使いやすい
⚠️ 〈 他社さんを含めた寒色ブラウンの特徴 〉
薄めていった時に “グレー味” が少し出てくる 単品でホワイト系を作るとシルバーに寄りやすいので (ブラウンがハイダメージ毛に定着しずらいことが理由) 補色としてピンク紫を使用すれば安心 。
YM yellow mat
チャートとの差が激しい色です。 毛束では深緑っぽい色でしたが、チャートでは黄緑です。 ブリーチなしカラーの方が出番は多いかも。
▶︎ 使用例
赤みを消したい時などに
⚠️どのメーカーも緑は難しいのか、青味に振りやすい傾向
→黄色を少し混ぜることで解決
G green
かなり綺麗なターコイズグリーンですね。
⚠️毛束では緑でも、人頭の場合は青味に振る可能性があるので 一応イエローを混ぜておいた方が良いかも。
〈KUMAさんメモ〉
根本付近が熱で染まりが良いと、青寄りになる。
▶︎ 使用例
・G6 + クリア 1:1 ↓
ミントターコイズみたいな感じですね。もう少し薄めて上げるとミントグリーンにもできます。
MB mat blue
実際には、チャートよりかなり青な印象でした。
▶︎ 使用例
・単品使い
・薄めて水色(少し紫を混ぜても安定感あり)
・MB 8 + クリア 1:1 ↓
B blue
単品ネイビーとして使えます。 くすんだネイビーという感じですね。
▶︎ 使用例
・鮮やかさを足したかったらMBを混ぜてもあり
・4MT でブルーブラックにするのもあり
BV blue violet
青寄りの紫ですね。 青紫にしようとしてベースで使うと流れやすそうな印象です。 他社でいうアッシュという感じ。
▶︎ 使用例
名脇役として補色にベスト
V vioret
流れやすい紫もあるので、人頭で使わないとはっきりしませんが、 色味的にはニュートラルで使いやすいバイオレットかなと思います。
RV red vioret
赤味より、ちょっと紫味のあるピンクですね。
▶︎ 使用例
・ブリーチなしに単品使いも良い
・10 RV + クリア 1:1 ↓
薄めてみると今っぽい赤みのないピンクにもなります。
P pink
使いやすいコーラルピンクですね。 僕はいつも2倍に薄めて使うことが多いです。
▶︎ 使用例
・10 P +クリア 1:1 ↓
「BLカラー 」質問まとめ
――フィヨーレ残留しずらいってほんとうでしょうか?
確かに全般的に残留は少ないですね!
僕が検証した際の『アクセスフリー3% 2倍 10分』の短めの放置でもよく抜けているものが多いので、かなり残留は少ないカラー剤かも。(一部「深めの赤・紫系」等は残るものもある)
個人的に、
・6コーラルピンク
・5ディープバイオレット
・6ウルトラバイオレット
は残留が少ないと思います。 赤紫の「6ディープパープル」は少し残るかも。 自然褪色を含めると、ベースによっては平気かもしれないですね。
――使用頻度が一番高いものはどれですか?
P ピンクですね。僕はめちゃくちゃ好きです。 紫味の少ないコーラル寄りのピンクなので重宝しています。
あと4MT も好きで暗染に、2N は黒染に、と使い分けています。 お客様が暗くする理由や暗くしたい期間でどれくらい残留するかを考えてますね。
――オリーブグレージュを作りたいときはどの色を使いますか?
難しいですよね〜。それこそ YM が活躍してくるかもしれないですね。
フィヨーレさんの緑系はビビットな発色のものが多いので、「ブリーチありの場合」は YM + GN or MT などをグレー味を混ぜる感じで作るといいと思います。 「ブリーチをしてない場合」に YM を使ってしまうと、くすんだ感じになってしまうので、G か MB をベースのブラウンにぶつける感じで使ってもらうといいかなと思います。
――残留しにくいブルーブラックは4MT がおすすめですか?
解釈として「落としやすい黒」のブルーブラックであれば4MT かなと思います。 (もちろん残留はゼロではないです) どれくらい持たせたいかによって2N を10% 〜 20%入れたりしています。 「黒っぽいネイビー」としてであれば ネイビー+4MT がいいかな。
――ホワイト系には何を混ぜたりしますか?
10N がほぼ白なので、10 N ベースで作って行くのが簡単ですよ。 他社さんでもそうなんですが、チャートで見てN かシルバー系の高いトーンのものが白く見えると思うので、ホワイト系はその二択ですね。 柔らかいホワイトなら 10 N を薄めて作る、冷たいホワイトなら 10 GLS を薄めて作る、といった感じです。補色にクオルシアの pink perl 、BLカラーの BV を使うといいかなと思います。
――カラー剤のオキシは何がおすすめですか?
僕はカラー剤のオキシはなんでもいいです! 今はフォードさんの3%で1倍 固定にしています。
一番良いのはメーカーさんを合わせると良いんですけど、 今はいろんなカラー剤を混ぜて作るという点や、 オキシによって発色が変わってしまうと感覚をつかみづらいので どれか1つに固定して覚えると良いのかなと思います。
材料費的にもオキシはコストがかかる部分なので、ここでは抑えて ブリーチのオキシなど重要な場面でなどで惜しみなく使えるようにします。
――「BLカラーのクリア」と「クオルシアのクリアゼロ」の使い分けは?
一般的には「BLカラーのクリア」はカラーに、 「クオルシアのクリアゼロ」はブリーチに(発色が落ちる?)と言われていますね。
検証してみたところ、 他社さんの紫と1:1で見てみましたが、普通のクリアとクリアゼロで比べてもあんまり変わらないです。 フィヨーレのクリアは他社さんと比べると少し発色が弱いとされていますが、とんでもない差があるわけではない。
大事なのは、クリアを固定してその濃さを基準に覚えることですね。
「クオルシア」色別解説
9 grey
難しく考えずに使いやすそうなシンプルなグレー。 先ほどの MT の方が、深いイメージで、薄めでも濃いめでもクセがない、持っておきたい色ですね。
10 milky White
10 N とほぼ同じでクリアとしても使える。 BLカラーの N のどちらかがあればいいかも。
▶︎クリアとの使い分け
アルカリが含まれる関係でムラになりにくいと思うので、「パワーがどれくらい欲しいのか」でクリアか 10 N 、または milky White を分けるのがおすすめです。
7 aqua blue
単品でも使えますし、水色も作りやすいです。 BLカラーの MB で作る水色はマット味があって緑寄りでしたが、aqua blue で作る水色は紫味があるおかげで安定しそうですね。
5 navy blue
6 B と似ているのでどちらか1つでいいと思います。 どちらかというと navy blue の方が色味がしっかりしていて使いやすそうです。
6 ultra violet
塩基のような綺麗な紫です!よく使います。イメージは紫味の強いネイビー。 単品だと青味を強く感じるので、P 6 を10%とかを混ぜるといいかも薄める場合は大丈夫です。
5 deep purple
赤紫なので少し残留はしますが、5トーンでこれくらいなら全然いいと思います。 ブリーチオンカラーや補色としても使える。
5 deep vioret
青紫系で深い色味ですが、残留が少なくて良い。 ultra violet が少しくすんだようなイメージ。
6 pink
少し紫味のあるピンクで、RV にちょっと近いですね。 RV の代用にもなるけど、トーン設定がある方を取るのか、という感じですね。 この濃さのピンクでこの残留の少なさはすごくいいので、濃いピンクをやりたい方におすすめですね。
coral pink
BLカラーでいう P と同じイメージで、これもどちらかあれば良さそうですね。
orenge
少しくすみ感の強いオレンジですね。 フィヨーレさんいいカラー剤ばっかりなんですけど、 唯一の弱点がオレンジかもしれません。 (個人的にはエドル、アジアン、アディクシー、エノグ、ボンドカラーのオレンジを使うことが多いです。)
sand beige
クオルシアさんの中でも1、2を争う人気カラーですね〜。 迷わずこれ1本でミルクティーOKです! ブラウンの注意点と同じく、薄めるとグレー味が出ます。
pink beige
これもトップの人気カラーですね! これも何も迷うことのない最強のカラーです。 単品でピンクベージュが簡単にできます! ミルクティーとピンクベージュの薬剤選定に迷う方は、とりあえずこの2本買っといてください(笑)
6 pink pearl
補色として優秀です。 よく他の美容師さんが使われている「ソフタッチ s6/68 ピンクパール」の代用としても良いと思います。 他のピンクと比べると少し残留があるので、メインよりは補色としての使用がおすすめですね。
11 yellow
アルカリカラーのイエローは流す時にいなくなることが多いので、 何かに混ぜて使う方がいいのかなと思います。
8 beige
若干寒色寄りのブラウンだけど、ニュートラルで使いやすいと思います。
6 green
単品でモスグリーンのような深い色味ですね。 残留もかなり少ない。青っぽくなりすぎるのが嫌な場合は、イエローを混ぜてもいいですね。
「クオルシア 」質問まとめ
――バージン毛からできるだけ高明度、高彩度なピンクを作るとしたら RVで加減法がうまく出やすいですか?
うーん、この中でいくと RV しかないですかね。 pink だとコーラル味があり、ブリーチなしのベースにはオレンジ味が出てしまうと思うので、できるだけ紫に振った方がいいですね。
――残留しにくい黒に近い暗染は、何を使うのがおすすめですか?
他社さんのカラー剤でトイロクションさんのフェイクブラックもよかったんですけど、個人的には「イルミナのスターダスト6」は優秀だと思います。 残留ゼロではないですがかなり良い。
―― ultra violet 6 をホワイト目指す際に抜ける前提で使うことはありますか? 目的色として使いますか?
めちゃくちゃ薄く入れて、抜けたらホワイトになる使い方も良いと思います!個人的には目的色として使うことが多いですね。 こういうパキッとした色味は濃すぎて補色には難しいので、くすんでいる色の方が安心ですね。
――スモトパと sand beige だとスモトパの方が寒色寄りですか?
スモトパは柔らかいベージュを作りたい時におすすめで、もうグレーだと思っても良いですね。 一応ベージュの部類ですが、グレーとして考えた方が安全です。 スモトパの代用としては GN になってくるかもしれないですね。
――色落ちシルバーになるネイビーブルーで残留しないおすすめありますか?
アディクシーサファイヤも良いですね。(アディクシーのコバルトは残留するので注意です) プリミネンスのエクストラブルーあたりも近いです。
――イルミナ safari はどうですか?
フィヨーレでいうと sand beige に近いですね。 すごく良いのですがただアルカリが強いので、僕は 6トーンをクリアで薄めてダメージレスに使っています。
――シルバー系に MT を使うと、チャートより緑味が強く出るのですが、補色が足りないですかね?
それもありますし、ベースの黄色が強いかもしれないです。 MT はグレー+青味のイメージがあるので、それとイエローが出たのかもしれないですね。 不安であれは grey を使うのもいいですよ。
――残留しない赤はありますか?
カラーミューズの赤はハイブリーチ前提で、自然褪色で落ちます! (ブリーチしていないと落ちません。) ボンドカラー red もかなり落ちますね。 ※オンラインサロンの内容もあるので一部の紹介です
――アッシュを使うときはどういう時ですか?
無彩色系を作る時ですね。 グレーでは消しきれないオレンジ味の場合や、ブルーでは青味が先行してしまう時。 ブルーは色味が強くメイン使い向きなので、補色としてはアッシュが良いですね。
オンラインサロン「KUMAラボ」はこちらから
いかがでしたか?
オンラインサロンはこういった500種類以上の毛束検証やブリーチ、オキシの分析、技術解説などが“見放題”だそうです!! フリーランスやアシスタントの方はもちろん、カラー剤に悩んでいるオーナーさんにもいらっしゃるそうです!
入会制限をされることもあるそうですが、現在8/1~は募集中とのことですので、方はぜひこちらまでDMください^^
この量のカラー剤を検証されてるKUMAさんはほんとに凄すぎますよね! どんな質問が来ても幅広く答えられる勉強熱心さには脱帽です。「薬剤を知る」ことは避けれない美容師さんにとって、わかりやすく比較や位置付けを学べる有益なライブとなりました!他のカラー剤やオキシもぜひやってほしい、、!薬剤の勉強って楽しい!と思ったBTスタッフでした(笑)