家族がいるからこその仕事。
――家族サービスについてはどのようにお考えですか?
木村:えっと、家族サービスっていうものに関しては考えてません。なぜかというと、行政が遅れているからですね。なので基本的に国を変えるしかないと思っていて、まずは日本がもう落ちぶれているということをもっと自覚し、子育て環境に関しても落ちているということをもっとみんなが認識し、政治参加すべきだと思います。それは子持ちだからこそ思います。
僕らがサービスでどうのこうのできるマックスは、間の時間でやれることをやってるんです。あとは行政の問題だと思うんです。国が「子は宝」と思えるのか。なので、そういった部分を国に対して問うというアクションが、「美容師」っていうジャンルの中でも必要になってくるであろうという風に考えております。
黒木:家族サービスって言い方、僕あんま好きじゃなくて。家族にサービスしていただいているんだと思ってるんですよ。自分たちが仕事を一生懸命できるのは家族がいてるからで、家族が安定しているからこそストレスなく仕事に向かえると思うんですね。これが家族がアレやったらそうはいかないですよね。
もちろん多分出てくると思うんですよ、思春期になって問題があってとか。うちももちろんありましたけど、それで僕らがやっぱり精神を費やすわけですよね。 だからなんかやっぱりサービスじゃないと思いますね。自分の人生の50パーぐらいは多分家族だと思うんですよ。家族があるからこその仕事なのかな。
それこそ本当にもっと言うと、自分たちがやっていることの全てって、自分の子供とか孫とか先祖に「すげぇ頑張ったよ」って言ってほしいなっていうところなんですね。それがやっぱり僕の…原動力になってますね。だから家族サービスっていう感覚は僕はないですね。家族のお陰で自分たちの好きなことやらせてもらってるし、しんどい時に帰っていくのはやっぱり家族の元なんで、エネルギーをチャージするのが家族なのかなと思いますね。
木村:なんか人の家族はすごい大事にできるんだけど自分の家族はないがしろにしてしまうっていうのは社長あるあるだと思うんですけど、僕は結構そういうきらいがあって。家族だから分かってくれるだろうみたいな感じでちょっと思ってしまうような、だめな側面もあります。
――近いからこそ、理解してくれるだろうっていうのは思ってしまいますよね。
木村:あとはもうただ単純に、子供たちには本当に最新ハイテクデバイス漬け戦略です。できるだけ外に出なくても済むようなやり方でのコミュニケーションですね。要は、同じ家の中にいてもショートメールで息子から連絡が来るとか。そういうような感じの環境で、普通にそれで良いみたいな(笑)。寝てたら「仕事してるの?」ってショートメールがきたりとか、まあそんな感じですね。
黒木:でもなんかねぇ、お子さん方がやっぱり理解があるというか、お父さんこんなことやってるよっていうのも一つ軸になってますよね。
木村:まあ生まれた時からそうでしたからね。
黒木:めちゃめちゃ仕事してくれてるよ、とか、そのおかげでその生活できてるよ、っていう認識は多分あるっすよね。
容姿の変化が生産力を上げる。美容が社会に及ぼす影響
――美容っていろんな人を幸せにする力があると思うのですが、美容自体が解決する社会問題はなにかお考えですか?
木村:まずはやっぱり遺伝子レベルでの容姿の差を埋めることができますよね、美容の力で。今だったら整形とかボディメイクというところで可能性に満ちていると思うんですよ。まあお金が高い安いは抜きにしても、自分の容姿は変えられるというのが今の現代になってきているので、美容の可能性っていうのは高まってきていると思います。
これは髪だけではなくて、自分が嫌だなと思ったら、歯を直す、肌を治す、鼻を直す、骨格を整える。そういうような感じになってきているのが、まあ望ましいというか、そもそもそういう風な時代になると思っていたので、いい傾向かなと思います。ただそれにより、うーん…本質を見失うというか、やっぱり容姿が変われば人間性も変わってしまうので、その辺の部分の自分の保ち方みたいなのも課題には挙がってくるんじゃないのかなっていうふうに考えていますね。
――たしかに、美容は良くも悪くも内面まで変化させる力がありますよね。黒木さんはいかがですか?
黒木:僕はあんまり無いですね。社会問題…うーん…。でもあれですね、生産力を上げたりとかGDPを上げたりとか、あとはストレスを減らすとか、そういうところに寄与してるんじゃないですかね。朝起きて、「よし今日も頑張ろう」って思う力をあげる。自信を持っていただく。そういうことなんじゃないですかね。だから人様のカギになる職業ですよね、僕らは。
プロフィール
木村 直人(きむら なおと)
LOVEST KYOTO|エグゼクティブ・プロデューサー
devoted|エグゼクティブ・プロデューサー
国際文化理容美容専門学校卒業。日本武道館でのヘアショーに出演などステージにも立ち、ナチュラルで洗練されたヘアスタイルやヘアカラーが得意。美容系プロダクト開発や美容室の運営ストラテジー、アドバイザー、各種セミナーやオンラインサロンなど多方面で活躍し、美容業界において革新的な取り組みを行う。著名人からの支持も厚い。2022年11月よりBeauty Terminalのアプリアンバサダーを務める。
黒木 利光(くろき としみつ)
CHARLES DESSIN|オーナー&スタイリスト
美容技術に特化した7名のスペシャリスト集団「YAVENGERS」など、複数の美容集団に所属。三都杯グランプリ、ゴールドウェルカラーズーム2015、2016ジャパングランプリなどビッグタイトル多数。また、シザー1本で創り出す彫刻的なカットで日本一を4回受賞。時代性や女性像に合わせたデザイン提案、デザインカラー、傷まないパーマが得意で、著名人からの支持も厚く講師としても活動中。2022年11月よりBeauty Terminalのアプリアンバサダーを務める。
いかがでしたでしょうか?
今は技術で容姿のコンプレックスを埋めることができる時代。それは良い面も悪い面もあるにせよ、私たちの心持ちまで変えることができる…。美容の力を改めて認識させられましたね。
次回はいよいよ第4回、最終回です!テーマは「最近ハマっていること」と「今後挑戦したいこと」。おふたりのオフの過ごし方や今後の展望など、これまでの3回分とは一味違うラフな内容となっています!
最終回もお楽しみに!!