三瓶さんのイヤーツーイヤーの場所はここ!

四方田

本日は、COA銀座 三瓶大志さんによるグラボブ徹底解説をしていただきます!

 

三瓶さん

今日は僕のグラボブの考え方と、切り方をお伝えします。最後まで見ていただくとグラボブが切れるようになりますよ!

ではグラボブを切る前に、最初にサイドとバックで分けます。

この分ける位置も理由があって、僕の場合はグラボブやショートは、この耳の後ろで取るようにします。

ミディアムやロングの場合は、ここよりも1センチ2センチ後ろへ取ります。

 その理由をミディアムやロング、ワンレングスの場合で考えましょうか。

 

ワンレングスの失敗 → 耳後ろに穴が開く” が特に多いですよね。

 

なぜそこで失敗するのか?

簡単に言うと“浮きやすいから”です。

 

なぜ浮きやすいのかというと、アンダーの髪があるかないかで浮いてるように見える。

バックは髪の毛があるから下にアウトラインがしっかり残るんですね。

そもそもショートやボブは、耳の後ろに穴をあけたいスタイルです。

なので、穴が開く状態を最初から作ってあげるためサイドとバックをこの位置で分け取って、切り方を簡略化してるんです。

実は頭は角だらけ?

僕のひみつ道具、自由に形を変えれる建築定規です。

これを見たときに、主要になる丸みって、多分①と②と③と④だと思うんですよね。

 

ちょっと難しく言うと、丸というのはカドの集合体で、丸ではないんです。

じゃあこれを何当分にして、角が出るところをどれだけ気にして、どれだけ最小限で切るか?ということになります。

 

アンダーは指1本すつリフトアップしながら1、2、3で切ります。

次ミドルは2回、パネルは4、5で切ります。

そして次が6、7で切ります。

またちょっと詳しいこと言うと、僕のグラボブには『7.5』っていう伝説の言葉があります。

それはまた後で説明がありますのでしっかり見てくださいね。

 

というように、この丸みに対して何回に分けるかっていうと、7回が基本です。

 

もちろんここから14回にしてもベストです。

なぜなら、角がなくなるから。

でも、僕の喋りのように時間かかるので(笑)7回で行きたいと思います。

1線目は指1本リフト、3回

最初にわかりやすいように、7回のパネルを取っちゃいます。

基本的には指1本分ずつパネルアップしていきます。

 

では最初のパネル指1本、これもうリフトが上がってますね。

指一本分持って、1回、2回と分けて頭の丸みに合わせて切ります。

3回で切れましたね。

指一本リフトで3回で切る、これを覚えておくと、ものすごく楽です。

2線目は指2本リフト、3回

2線目は、同じです。

自然に落ちる位置にとかしてあげたら、3回で切ります。

さっきの指1本に対してもう1本上げていきます。

真ん中で1、頭の丸みに合わせて2で、ずれて同じ高さで3。これで指本2本のリフトができました。 

3線目は指3本リフト、4回

アンダー3線目ですなので、指3本リフトですね。

指リフトの正確性を練習で体現して、しっかり覚えていってください。

1、

そのままずれて2、

ずれて3。

丸みに合わせて切っていくと、このときに初めて3回で切りきれないんです。

なので、ここから初めて4が現れます。だからアンダーの一番最後の3線目は4回になりましたね。

ここから上はずっと4回で切っていきます。

ここでアンダーをバイアスでチェック

ここでアンダーをチェックです。

チェックはバイアスで持ってきて、頭皮に対して直上、オンベースですね。

ここのちょっと出てるものを切っていきます。これが頭のカドです。

ちょろちょろ出るのを切って合わせていく。

チェックの4線目は、引き出し方が難しいんですけど、しっかりこちらまで持ってきます。

そうすると出てきますね。

そこの場所って何なの?ってなるんですけど、次のパネルで分かってきます。

4線目は指4本リフト、4回

次にやっていくのがミドルですね。

まずミドル1線目、全体でいうと4線目です。

そしたら同じように1234で切ります。パネルアップは指4本です。

しっかり今までのガイドに合わせて切ってくださいね。 

5線目は指5本リフト、4回

次、5線目ですね。5線目は4線目と変わらず同じようにいきます。

ミドルもバイアスでチェック

これでミドルが終わりました。

ミドルでもチェックしていきます。最初に言ったように、ミドルは2回に分けてるけど、カドがまだ生まれてます。

なのでそのカドをこのバイアスチェックで落としていってあげる、それがチェックの目的です。

さっき、アンダーの4つ目のパネルのチェックの意味がわからなったと思うんですが、このとき初めて、ミドルとアンダーのチェックが重なってきます。

今こんな感じになってます。 

6線目は指6本リフト、4回

次6線目。

ここで難しいのが、頭の丸みがミドルからギュッて丸く入ります。

ぎゅって入るから、ここから落ちる指一本ってわかりづらいですよね。

感覚がずれるから、頭で考えたときに失敗しやすいのと、逆に指1本が低くなりすぎちゃう、または上がりすぎちゃうっていう現象が起きます。

これで指1本ですね。これが難しいんですよ。

切る時の注意点

このパネルから本当は2回で切れるんですが、2回で切ってしまうとパネルの真ん中が長くなってしまいます。

カドが残らないために、ここの頭の丸みを細分化して4回で切っていきましょう。

そしてみなさんよく、パネルを挟んだとき指の根本ギリギリまで切りませんか?

そうすると指の隙間によって髪にかかるテンションが違うので、乾いた時に長さが変わってしまうんです。

なので、切るのは指の第2関節までにしましょうね。

 

では6線目、第2関節までしか切らないということに気をつけて、4回で切ります。

7線目は指7本リフト、4回

7線目ですね。もちろん1234です。

ここもバイアスでチェックしますね。

噂の『7.5』のパネルとは?ここで登場!

これで綺麗になるんですけど、一つだけネックなところがあります。

この頭の一番上の髪の毛が、ここでワンレングスになってるんです。

これを指7本目で切った位置で持ったままトップの位置まで上げると、ほら!出てくるんですよ。

これはなぜかというと、指7本目の位置で切ると、一番トップの毛が頭の丸みがある分重くなっちゃうんですね。

でもこれを持ち上げて切っちゃうと、せっかく指1本ずつリフトして切ったのが台無しになっちゃうんですよ。

 

じゃあどうする?

7.5』です。

 

1から7まで順番に上げて、7まできたら、ここで0.5上げます。

ちょっと出てくるのを、切ってます。

指0.5本分は絶対にウエイトは上がるんですけど、あくまでもグラデーション状態で綺麗になってます。

これくらいしか切ってないです。

そうすると、馴染むんですよ。

 

そして頭の丸みの影響をダイレクトに受けるので、バックサイドは穴が開いてます。

これがグラデーションボブの「頭の丸みに沿った上がり方」ってことです。

つまり、その人に合った切り方ってことです。 

バックとサイドを繋ぐ1線目

ではバックとサイドを繋げていきますね。

耳後ろで分けてた部分ありますね。

分けてた線に対して、サイドの髪とバックの髪を合わせた位置で切らないと合わないです。

2つのパネルを合わせてちょうど真ん中に持ってきたら、落ちる位置から指1本上げます。

そしたらこのカットラインに対してパネルを前下がりで切っていきます。

次は移動して、この部分で指1本リフトして前下がりで切ります。

ダイレクションをかけたりとかはしないです。

自然に落ちた位置で、中間毛先をとかしたら指1本リフトして指で前下がりに切る。

指の角度やコントロールを覚えることってすごく大事でそれがカットが上手くなる近道だと思っております。

 

落ちる位置で持ってきて指1本リフト前下がりを繰り返します。

 

最後のこめかみ周りの部分を前の方でパネルアップして振り切ってしまうと、毛先がなくなってしまう可能性があります。

こめかみ周りの髪の毛を僕は「初めましてゾーン」って言ってるんですけど(笑)

ここは下に毛がないので耳後ろと同じく厚みが無いので浮きます。

この「初めましてゾーン」はサイドの厚みがある部分で切ります。

少し後ろにダイレクションをかけ、高さを合わせて前下がりで切ると、自然に下ろした時に厚みが違っても浮かないんですね。

 

そしたら、次は指1本リフトしている分、もみあげが長くなるんです。

なぜかというと、もみあげだけ厚みがありますよね。

ここがパネルアップして切っていると、下に引き出して切った時に出てきちゃうんですよね。

ここをCシェイプしましょう。

で、ここを切っちゃいます。

そうすると下に短い髪が入ったので、シャープなラインになります。 

サイド2線目と3線目

同じように耳後ろで指2本リフトで、前下がり。

1つ前に行って、また指2本リフトで切ります。 次はちょうどもみあげの位置ですね。

その次がまた先ほど同様の「初めましてゾーン」になるので、高さを合わせるため左手を上に返すように捻ります。

同様に指3本リフトで切っていきます。

まだ整えてないのでバックはバサバサですけど、ここまでのラインベースカットだけでこんな感じですね。

サイドのチェックカット

そしたら、ここで初めてチェックカットしていきます。

前下がりで切ってるので、そのラインを壊さないように顔まわりに持ってきます。

この少し出てるの切ります。

次のパネルも、もう1回取って、オンベースで引き出すとここに本の少し丸みが見えますね。

そこを切ります。

 

次はバックとサイドの繋がりの部分をオンベースで引き出し、こうやって持って切ると、この厚みがないところが見えるんですよ。

これを作ってることによって何が起きるかというと、耳後ろの部分にキュって入るシャープさが生まれるんですよ。

普通に切るとならないんですけど、僕のグラボブはここが綺麗に入るのでみんなびっくりします。

簡単にいうと耳後ろにポケットができている状態にしていて、そこにけが入って収まるようになってるんですね。

これは失敗ではなく、4線目以降からは繋がるので、穴が開かなくなるんです。

ブローは丸めず自然に

ではこれがベースカットが終わった状態です。

ここでブローですね。ブローのコツとしては、ブラシまたは手を左右に振って乾かすことですね。

そうすると自然に落ちるように乾くので。

またせっかくカットだけでスタイルを作ったので、余計なブローはしたく無いんですよ。

丸みを持たせてしまうと、せっかくカットで作った積み重ねが台無しです。

丸めないでまっすぐブローして、あくまでもブラシの自然な丸みだけにしましょう。 

初公開?衝撃のチェックカット!

こっからはもう自己満の世界に入るんですけど、(笑)アウトラインのチェックカットに入ります。

 

自然にとかしてあげて、落ちる位置にします。

まずアウトラインと切るときはまっすぐ切ってあげます。

次はハサミを反り返して内側を切ってあげます。

そして次に切るのが、はさみを逆に表面に出して切ります。

今3回切りました。 ここまで切ったらバックサイドですね。

 

 

まっすぐ切ってあげましょう。

同じく反り返して内側の髪の毛を切っていきます。

その次に表面ですね。

そしたら、先に揃ってないところがありますよね。

ここを切ってってあげる。

何回も梳かして、チェックしていきます。

ここまでは1回目のチェックカットです。

 

ここで斜めになります。お客様にも斜めになってくださいって言います。

そうすると、下でこうやって見るとすごい出てるんですよ〜。(笑)

四方田

すごい(笑)チェックカットをこの角度で(笑)

ここであるなって確認して、サイドの毛とか中の毛も切っちゃいます。

内側が切れたらちょっと戻してあげて、表面をチェック。

僕、あんまり見せないんですよ、チェックカットのやり方って。

ちょっと秘密だったんで。何もつけてなくてコレっていうのをぜひ皆さんに感じ取ってほしいです。

 

では仕上がりはこんな感じですね。

スタイリング剤なしなので少しはパサパサしちゃってるんですけど。

セニング使わないでグラデーション積み重ねるだけ、指一本リフトしてるだけで、こんぐらいには綺麗に切れますよ。

「グラボブを愛す男」三瓶大志さんプロフィール

三瓶 大志さん

Instagram:@tai43pei 

スタイリスト&テクニカルディレクター 福島県出身。

理容師免許を取得して上京し、都内のユニセックスサロンに入社し、6ヵ月でデビュー。

コンテストにも積極的に参加し、21歳でカットコンテスト優勝。アメリカで開催されたクラスルームにてJapanチームに入る。10年目に退社し、半年のフリーランス期間を経て2022年9月『COA』に参加。

サロンワークをしながら、300名を超えるカットのオンラインサロンを主宰するほか、業界誌の表紙や巻頭、BTや多くの場所でカットセミナー講師を務める。

 

EDITOR’S REVIEW

いかがだったでしょうか?簡略化されたわかりやすいカット方法と虫眼鏡並みのチェックカットで、芸術的なグラボブが完成しましたね!

この指1本の感覚や、頭の丸みに合わせて忠実に切る積み重ねで完成すカット、奥が深いです!

下からのチェックカットは思わず突っ込まずにはいられませんでした(笑)

三瓶さん、ありがとうございました!