この記事でわかること

・黒木式を学んで変わった、施術への考え方とサロンワーク

・THREE STAR認定後も学び続ける理由

・技術に自信を持ちたい美容師へ伝えたい、基礎を学ぶことの大切さ

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お客様との経験が、黒木式を学ぶきっかけに

――まずは、THREE STAR認定、おめでとうございます!お二人が「黒木式」を学び始めたきっかけを教えてください。

玉山さん:ありがとうございます!僕は、以前ケラチントリートメントをしていたお客様にアルカリストレートをかけたら、部分的にビビリ毛になってしまったことがあって。お客様から厳しいお言葉をいただきました。そのとき、自分が何をしているのか十分に理解しないまま施術することの怖さを痛感したんです。

そのあと黒木さんの臨店講習でpHや薬剤の話を聞き、自分がいかに理解できていなかったかを痛感しました。

「良いから取り入れる」でなく、やる以上はちゃんと勉強して責任を持たないといけない。もうお客様を悲しませたくないと思ったことが、本格的に学び始めたきっかけです。

三ツ矢さん:私は、どうすればいいのかわからないくらいハイダメージ毛のお客様が来店されたことがきっかけでしたね。

私では対応できないと判断して、黒木式を学んでいる同じ和歌山の美容師さんにお願いしたんです。後日、その方がうちのお店に来てくださって仕上がりの髪を見たときに「すごい」としか言葉が出なくて。

学べる機会があるなら、私もちゃんと学びたいと思いました。どうせならアカデミーに入って一から学ぼうと思ったんです。

学んだことで、サロンワークはどう変わった?

――黒木式を学んで、仕事にはどんな変化がありましたか?

玉山さん:一番変わったのは、その日の仕上がりだけではなくて長期的にお客様の髪を考えられるようになったことです。

僕が最初に感動したのは、ブリーチ毛への対応でした。以前は「ブリーチするならストレートは難しい」「ストレートならブリーチは厳しい」という提案をしていました。でも学んでいく中で、ストレートだけでなく、その先にお客様が楽しみたいカラーやデザインまで考えて施術を組み立てられるようになりました。

――働き方にも変化はありましたか?

玉山さん:黒木式を学び始めたのは40歳くらいの頃で、コロナ禍真っ最中。その頃僕は、副店長として掛け持ちでお客様を担当していました。ただ、年齢を重ねる中で「この働き方はいつまで続けられるんだろう」と考えるようになったんです。

技術を身につけたことで、お客様一人ひとりに提供できる価値も変わってきたと思います。担当するお客様の数が少なくなっても、仕事の質を高めながら、今も美容師を続けられています。長く美容師を続けていくためにも技術を学んできたことは大きかったですね。

 

――三ツ矢さんはいかがですか?

三ツ矢さん:私は、とにかくスピードが変わりました。アカデミーに入った頃は本当に遅くて、“30分規定の塗布練習”に2時間くらいかかっていたこともありました。(笑)

その後卒業したとき、できるようになってたつもりだったんです。でも、改めて学ぶ機会があって「私、全然できてないやん」と気づきました。卒業したら終わりではなく、学び続けなければ成長できない。そう実感して、上級者向けの『マスターズ』で練習するようになりました。

最近は、お客様から「めっちゃ早い」と言っていただけるようになったんです。ストレートだけでなく、ほかの技術もスピードアップしました。何より、お客様の滞在時間が短くなり負担を減らせるようになったことは大きいですね。

流行が変わっても、「基礎」は残る

――美容業界のトレンドが変化する中でも、残していきたいものは何でしょうか?

玉山さん:薬剤を使うケミカル技術には、流行り廃りがあると思っています。酸性ストレートも一時期すごく注目されましたが、黒木式を流行りと競わせる必要はないと思うんです。酸性を学ぶなら、そのベーシックの一つとして黒木式を学ぶ。そんな位置づけになってもいいんじゃないかなと。

カットでも何でも、迷ったときって基礎に戻るじゃないですか。黒木式を学ぶことで、酸性だけでなく、アルカリや中性について考える知識も自然と増えていきます。だからこそ、流行とは別のところで長く残ってほしいと思っています。

 

三ツ矢さん:私も、すべての技術で基礎が大事だと思っています。Instagramに載っているようなデザインってほとんどが応用だと思うんです。でも、基礎ができていないと応用はできない。黒木式は、その基礎をしっかり学べるものだと思っています。

特に「自分の技術に自信がない」「何か一つ自信がほしい」と思っている人には、一度触れてみてほしいです。基礎を固めることはすごく大事なことなんだな、って感じてもらえるんじゃないかと思います。

THREE STARを取っても、まだ学び続ける

――大会で結果を出した今も、なぜ学び続けるのでしょうか?

玉山さん:実は、黒木さんと僕は同学年なんです。すごく尊敬する気持ちと、同級生だからこそ「負けたくない」という気持ちもどこかにあります。

黒木さんの「世界を美しく変える」という言葉も、自分が学び続ける理由です。最初に聞いたときは、スケールが大きすぎるなと思ったんです。でも、黒木さんのことを知るほど、その言葉を本当に実行している人だと感じるようになりました。少しでも近づきたいし、追い越せるなら追い越したい。そのためには、まず自分自身が変わり続けないといけないと思っています。

それと、仲間の存在も大きいですね。周りが本気で技術と向き合っている姿を見ると、自分も頑張ろうと思える。僕自身も、誰かの心を動かせるくらい一生懸命な人でありたいと思っています。

三ツ矢さん:私は「負けたくない」「結果を出したい」という気持ちが大きかったです。かなり単純なんです(笑)。周りに認定講師になった人がいて悔しいと思ったり、マスターズのメンバーと一緒にやる中で「自分も何か結果がほしい」と思ったり。

天下一塗布大会は簡単に結果を取れるものではないとわかっていましたが、「だったらやれるところまでやってみたい」と思って挑戦を決めました。

 

――THREE STARに認定されたときは、どう感じましたか?

三ツ矢さん:本当にうれしかったです。会場ではあまり口には出さなかったんですけど(笑)、自分の中では「自分に名前がもらえた」という感覚がありました。今までやってきたことを認めてもらえたような気持ちでしたね。

「もっと上手くなりたい」と思っている美容師さんへ

――最後に、技術に自信がない方や、もっと上手くなりたい美容師さんへ伝えたいことを教えてください。

玉山さん:美容師って接客業でもありますけど、技術職でもあると思うんです。お客様が時間とお金を使って自分を選んで来てくさだる。その期待に応えるためにも、技術力はこの仕事の根幹だと思っています。

若いうちは勢いで乗り切れるかもしれません。でも長く美容師を続けたいと思ったとき、必ずどこかで技術を見つめるタイミングが来ると思うんですよ。今のお客様を長く担当したいと思うなら、そこから逃げないでほしい。早いうちから、自分の技術をしっかり見つめてみてほしいですね。

 

三ツ矢さん:私は、まず基礎的な技術を学んでみてほしいです。基礎練習って正直しんどいです。でもそこをやり切ることで、芯になるものが得られると思います。

それと、若い美容師さんにはできればアシスタントの時代から学ぶ機会をつくってほしいですね。

スタイリストになってからだと売上なども関わってきて、学ぶために環境を変えるのが難しくなることもあると思うんです。だから、アシスタントのうちにオーナーさんに相談してみるのも一つの方法だと思います。サロンの外に出て、県や年齢を越えた美容師仲間とつながることも大切です。自分の気持ちをわかってくれる仲間がいることは、美容師を続けていくうえでも支えになると思います。

若いからまだいいではなく、自分から学ぶ一歩を踏み出してほしいです。

まとめ|技術と向き合うことが、これからの自分をつくる

結果を出した今も、学び続けている玉山さんと三ツ矢さん。

その原動力は、「もっと上手くなりたい」「負けたくない」「お客様の期待に応えたい」と、それぞれ異なります。しかし共通しているのは、一度学んだだけで満足せず、自分の技術と向き合い続けていることでした。

流行や新しい技術を楽しみながら、ときには基礎へ戻り、自分の現在地を確かめる。その積み重ねが、美容師として長く働き続けるための力になるのかもしれません。

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EDITOR’S REVIEW

「技術を見つめる」「しんどくても基礎を身につける」。お二人の美容師としての考え方には、目には見えなくても大切なものがあると感じました。過去の経験をそこで終わらせず、今、そして未来の自分につなげていく。自分自身と何度も向き合ってきたからこそ生まれた言葉を聞くことができた、印象深いインタビューでした。