LOVEST KYOTO

京都市下京区にあるヘアサロン。「京都で美しい髪をつくりだす」をテーマに、美を求める全ての女性のために簡単なヘアケアで美髪を創り出します。

ホームページはこちら→LOVEST KYOTO

 

【基本情報】

・所在地:〒600-8021 京都府京都市下京区順風町309 中村ビル2階

・スタッフ数:11名

・営業時間:平日11:00~20:00

      休日10:00~19:00

・定休日:火曜日

・電話番号:075-744-0988

 

木村さんはこんな方

LOVEST KYOTOとdevotedのエグゼクティブ・プロデューサーを兼任。

日本武道館でのヘアショーに出演などステージにも立ち、ナチュラルで洗練されたヘアスタイルやヘアカラーを得意としています。また、美容系プロダクト開発や美容室の運営ストラテジー、アドバイザー、各種セミナーやオンラインサロンなど多方面で活躍し、美容業界において革新的な取り組みを行っています。著名人からの支持も厚い…!

 

美容師“木村直人”が生まれるまで

――美容師さんになったきっかけは何だったんですか?

 

きっかけは、親が美容師だったので必然的になんですよね。あのう…別になりたいというわけじゃなくて、なんか日常的にそこにあったので、まあならざるを得ないというか…。あんまり何も考えてなかったんで。

 

――ではご両親の生活を見て自然と…という感じでしょうか?

 

そうですね。全然いいイメージはなかったので、すごいやりたいなぁっていう気持ちは全くなかったんです。けど、なんかもうなれるものがそれしかなかったっていうか。それぐらい高校とかまともに行ってなかったし、ちゃんとやってなかったんで。

 

で、東京に行きたい田舎者だったんで、漠然とその思いだけが先行して、まあ東京に行くっていう理由であれば親は美容師なので行かせてくれるだろうという、そういう理由です。それで専門学校から東京に来ました。

 

――専門学校を卒業されて最初に就かれたサロンさんも東京ですか?

 

そうです。imaiiっていう、原宿で100坪級のお店を出している老舗のヘアサロンに応募して、そこが一番早かったですね。まあ今はもうあんま知らない人多いと思いますけど、その当時はヴィダルサスーンのカットを国内に持ち帰った凄いメジャー級のサロンで、もう憧れのサロンでした。

 

そこで1000人ぐらい面接受けて合格者は24人だけだったんですけど、その中に入ってなんとかキャリアをスタートさせました。それが20歳です。その中の同期で割と有名なのが、Belleっていうヘアサロンの飯田とか堀之内とかですね。

 

――imaiiさんには何年間いらっしゃったんですか?

 

3年半ぐらいいたんですけど、ある日突然クビになったんですよ。クビになって、その後に、今はもうないんですけどHAIR DIMENSIONっていうサロンに入社しました。そこでヘアメイクっていうキャリアに目覚めてヘアメイクに勤しんでいたというか。

 

――ではそこからもうキャリアを積まれて独立へ?

 

いや。HAIR DIMENSIONでヘアメイク学んでいろんな先輩方と知り合ったんで、当時、現SUNVALLEYっていうヘアサロンをやってる朝日さんという人に憧れてAirに入りました。そこから17年Air一筋で。

 

木村式ロジックと、その先にあった著名人らとの出会い

 

――長年美容師さんをされていますが、自分の中でこだわっている部分はありますか?

 

まあ、まずロジックですよね。サロンワークのロジックが全然確立されてない頃は、来れば何でもやってました。しかも自分のお客さんを優先に全部やっていくもんだから、他のお客さんを立ったまま待たせてしまっていたりもしました。力関係が非常に大きく出やすいサロン状況だったんですね。だから予約っていうのが全く意味を成してない状況で、まあ自分もそれに迎合してやっていた部分はありました。

 

でも、それについていくのがもうしんどくなって、じゃあ自分が特化した技術・メニューって言うところに注力してお客さんをもてなしていこうと考えました。そうしたらヘアカット、ヘアカラーとリートメントだという感じになって、カットとパーマを捨てたんです。自分の中で。 そうするとやっぱり枠内で綺麗に収まって、待ちも少なく技術が提供できるようになった。

 

その中でも、ナチュラルで洗練された雰囲気の女性像を作り続けるっていう自分の中でのポリシーが生まれて。で、やっていく中で、担当してた人の中からどんどんどんどんスター性のある人が掘り起こされたんですよね、なぜか(笑)。

 

――それはやり始めてスター性が出たんでしょうか?

 

数えあげればきりがないぐらいスターになってった人を見送ってきたんで、だからまあ、“持ってる”美容師だねっていうふうに思ってましたね。

 

――数々の有名な方が木村さんのもとで育って巣立っていかれてるイメージです…。

 

まあはい。芸能系の有名人ですね。一番下の年齢から言えば、当時13歳だった池田エライザとかからそうでしたね。みんなそうですよ。もういろんな人やってきたんで、挙げればきりがない(笑)。そういうのは紹介で来ますね。

 

まあだから田中みな実さんとかもそうですし、鈴木えみさんとかも十何年前からやってましたし、渡辺直美さんとかも7,8年やってました。相武さんとかも10年ぐらいやってますし、山本美月さんも10年ぐらいやってましたし。『木村直人のハラドキッ ヘアスタイルBOOK 』っていう本1冊出してるんですけど、それに大体全部載ってます。

 

――すごい!そういう方々とはどういうお話されるんですか?

 

基本的に、あんま業界系の人のプライバシーに関わる話っていうのは自分は一切しないタイプで。なのでまあ仕事として、ヘアメイクとその現場っていうのをうまく両立して、良きパートナーみたいな関係性を構築してたっていうのが大きいですね。

 

 

「人によって差が出る施術をしない」

――キャリアを積まれる中で躓いた時はありましたか? 

 

そういうのはなかったんですけど、やっぱりお客さんが集まり過ぎてしまった時にアシスタントに任せなきゃいけない施術があって。そこで任せた部分の仕上がりが不満だったとき、それで悲しい思いをさせたなと思う瞬間があって。なんかそういうのからもさらにロジックが進んでいったっていうか、絶対にすべらない施術の仕方を目指すようになっていきました。

 

だから、あんまり僕テクニカルな方法に行かないんですよ。流動的になっちゃうから。人によって差が出てしまう技術をしないっていうのを、もう心に決めたんですよね。専属アシスタントはいたんですけど、基本2人で、シャンプーするのにもう1人いたかなぐらいの感じで少人数で回していましたね。

 

――なるほど。その経験からどんどんブラッシュアップさせて、今の形になったんですね。

 

そうですね。まあそれやってた結果、なんか自分が1000万超えましたみたいなのがフィーチャーされたりとかしてたと思うんですけど、こういう歴史なんですよ。1000万円だからすごいんじゃないんです。紆余曲折があって、それをクリアしてって、悩みも葛藤もめちゃくちゃあって、それをソリッドにソリッドにしていった結果1000万というのがあっただけなので。

 

別に、めちゃくちゃウェーイってやらかして1000万っていうのはそんなに難しくないと思う。ちゃんとオープンラストで休み取らせて、営業も押したり引いたり巻いたりとかがない。もうきちんと11時オープンなら9時で終了。ぴったり。オン/オフの切り替えをすごい大事にしてますね。

 

教育ではプライバシーを大事に

――そこの仕組化や教育の部分で意識されていることはありますか?

 

あんまり過剰に踏み込みすぎないことじゃないですかね。教育とかではプライバシーをすごい大事にしていて、なんだろう、職場の感情を私生活に持ち込まないという努力をしていました。だから実際みんなが私生活何やってんのか知らないし、じゃあ飲みに行きましょうみたいな話になったときに、結局上の人と飲みに行くときって武勇伝語るだけになっちゃうんで、あんまりそういうのは行かないでお金だけあげてたりとか。そういうこととかはしてました。

 

ちょうど当時専属アシスタントしていた竹田がいるので、呼びますね。

 

竹田:竹田です。東京で専属アシスタントしてました。

 

元専属アシスタント竹田さんに聞く、木村イズムの核心

――当時を振り返って、竹田さんから見た木村さんはどんな印象でしたか?

 

竹田:当時は木村さんのような人はお店にはあまりいなかったので、すごいなんか新鮮だったというか。自分たちのことを考えて全部動いてくださっていました。まあもちろんお客様第一ですけれど、席数とかも多く使いすぎてしまうと他のスタッフにあまりよくないので、しっかり席数を決める。それで、自分たちもそれに合わせてちゃんとお客さんをお時間で返す、とか。

 

やっぱり「時間もサービスのうちだから」っていうのを言われた記憶があって、時間で終わらせるっていうのは特に気を付けてやってた気はします。お客さまにも、サービスを一定に、テンションも一定に、っていうのはすごくありましたね。

 

 

――木村さんからの教育が今に生きていることって何かありますか?

 

竹田:やっぱり「どのお客様にも一定のサービスを」っていうので、仲いいお客さんだけにどうこうっていうわけではなくて、新規のお客様にも、何回か来ていただいているお客様にも、いつもテンションは一定にっていうのは心掛けています。でもやっぱまだまだ木村さんのところには程遠いなって、自分自身はスタイリストになった今すごい思いますね(笑)。

 

木村:なんか今日はこのメニューできたけど次回来た時に同じメニューができないとかっていうことあるじゃないですか。そういうのって一番不愉快なポイントだと思うんですよ。例えば、マッサージ今回5分かけてやってくれたけど次回は2分になってたとか。そういう意味での“一定”ですね。常に一定。だから待つ時間も一定なんですよ。入ってきて5分以内にはもう誘導されている状態で、待ち時間がまずないっていうのがマストで。

 

――なるほど。それは他のサロンさんではなかなかやっていないところですね。

 

木村:それやれなかったら差が生まれるんですよ。力のあるスタイリストは自分の力の剛腕さである程度の人を奪い取って、そういう風に有意義に回していく。一方で、力がないスタイリストはなかなかそいう風に人を使って何かをすることができなくなって、結局詰まらせちゃって満足度を下げるんですよ。

 

でもそれってやっぱ上の人間のやることじゃないから。上の人間っていうのは、下の人間をいかに伸ばしてあげるとかいうことに注力するべきであって、一番自分が損しないといけないんですよ。僕がよく言ってたのは、「100%を使うな」。70%ぐらいの力で入って、やりきる。というようなイメージ。ようは、100使っちゃってたら、次来た時にそれ以上のものを求められててもできない。もう周りに軋轢が生まれてしまう状態になるということです。

 

技術ではなく、“やってはいけないこと”を教える

――技術以外でも、そういった部分での教育って大事ですよね。

 

木村:彼女(竹田さん)とかも僕あんま技術教えてないんですよね、実は。ウィッグの試験とかをやっていなくて、一回カットしてるの見ただけなんですよ。「合格。入客していいよ」って(笑)。

 

なんでかって言うと、僕は“お客さんにやっちゃいけないこと”を教えてるんですよね。まずやっちゃいけないことをしないということは、ある程度満足度を上げた状態でお客さんを返せるんですよ。そこにウィッグの練習回数は全く関係なくて、全然望んでもいないやっちゃいけないようなことをバサバサやっているような感じだから、お客さんが離れちゃうんですよ。

 

 

でも自分のアシスタントをずっとやっていくことで、「あ、これはやっちゃいけない」っていうことが身につくんですよ。だからカットをするにしても、切り過ぎがまずない。「長すぎるね」ってなるんだったらお直しで長さ調節する。やり過ぎてしまったら戻すのは大変だけど、やり過ぎてないもののパワーを上げていくことは問題がない。むしろ「丁寧にやってくれたわ」で終わるんです。だからカリキュラム必要ないんですよ。人間のその感情を汲み取る。それを大切にしてますね。

 

――なるほど…。では竹田さん、何か木村さんにひと言(笑)。

 

竹田:木村さんにひと言…!?えー、私はやっぱ木村さんきっかけで動くことが多いので、今回京都に来たのもやっぱり木村さんが京都にLOVESTを出すっていうのが大きかったというか、もうそれでしかないので。なんかいつも…私が勝手に思ってるだけですけども、引っ張ってくださっていると思っているます。なので、本当にありがとうございました思ってます(笑)。

 

木村:こちらこそ(笑)。

 

「社会として有意義な職業であり続けるために」

――最後に今後のビジョンをおうかがいしたいです。

 

やっぱり後進育成っていうか、まあこういう理論とかをベラベラ喋るやつもね、なかなか関西にはいないでしょうから、こういう弁士としての自分というか。あとは、僕って普通はあまり経験したことのないキャリアを経験してきている数少ない人間だと思うんです。なのでまあそういったのを込めて、関西とかにも一石投じられる何かにできたりしたら、京都にとってもいいことだろうなと思います。

 

――いやぁ、すごい。ただ「俺の作品かっこいいだろう」じゃなく、そこにメッセージを掛け合わせて、見ている人たちに何か伝えるというか…。

 

あーそうですそうです。何がしたくて髪切ってんだよっていうね。だから、アートを作りたいという人はそれでいいと思うんですよね。僕はお金を稼ぎたいし、社会性の高い職業になりたい。なんかこう…アートだけ作ってる人って、どうしても社会的優位性に立てないので。なんかやっぱり「社会として有意義な職業であり続けるために」っていうのはテーマですね。

 

プロフィール

木村 直人(きむら なおと)

LOVEST KYOTO|エグゼクティブ・プロデューサー

devoted|エグゼクティブ・プロデューサー

国際文化理容美容専門学校卒業。日本武道館でのヘアショーに出演などステージにも立ち、ナチュラルで洗練されたヘアスタイルやヘアカラーが得意。美容系プロダクト開発や美容室の運営ストラテジー、アドバイザー、各種セミナーやオンラインサロンなど多方面で活躍し、美容業界において革新的な取り組みを行う。著名人からの支持も厚い。2022年11月よりBeauty Terminalのアプリアンバサダーを務める。

 

EDITOR’S REVIEW

いかがでしたでしょうか?

「LOVEST KYOTO」木村直人さんへのインタビューでした。
技術ではなくそれ以外の教育、アートの創造ではなく社会的地位の向上。木村さんならではの視点のお話がたくさんうかがえたかと思います。

BTのアプリアンバサダーとしてもお力添えいただいている木村さん。今後の発信とご活躍にも目が離せません…!