逆算思考で積み上げてきた今までのキャリア
――枝村さんが美容師になろうと思ったきっかけ、背景を教えてください。
両親が床屋さんだったんで、その影響で中学校2年生の時くらいになんとなくそっちにいくかな〜、と思っていました。
姉が美容師で、僕が高校生2年生の時に髪を切ってもらって、そこで「美容師」っていう道もあるんだと知って、高校3年生の時くらいから放課後に友達の髪を切ったりしていたんです。それが楽しかったので、美容師って楽しそうだなと思ってあまり迷わずに選びました。
うちの父親が、床屋なんだけど料理の仕事やってたんで調理師免許持ってるんですよ。それで調理師とか、他にもアパレルも楽しそうだなーとは思ったりもしたんですけどね。
――枝村さんのご出身はどちらですか?
茨城です。18歳まで茨城で、高校卒業して通信で東京方面へきて、埼玉のサロンで働き始めました。 都内はカリスマブームみたいな感じで、通信生が働けるところが全然なくて、知り合いの埼玉のサロンに行かせてもらいました。
――自分の強みは「カットだ」って気づいたのはいつだったんですか?
「カット」が好きだったんです!(笑)切るのが楽しかったので。 それしかなくて、カットがしたいから他のカリキュラムを早く終えるって感じでしたね。
――真っ直ぐですね!では講師活動をされるようになったのはいつ頃なんですか?
25歳くらいからでしたね。ルベルさんのインストラクターをやらせていただいて、そこからずっと講師活動をしてます。その時はカラーやパーマと組み合わせてやってたんですけど、カットだけの講習は20代後半くらいからやっていました。
――はじめから教える立場になりたいと思ってカットを学んでいたんですか?
教えるのが楽しくなってきたのは30過ぎてからでしたかね。そこまではなんとなく、教育っていうよりは、副業みたいにセミナー業としてやってたイメージですね。サロンワークの延長線上みたいな。 どちらかというと、サロンワークを趣味にしたいから何かできないかな、って考えたのが25.6歳くらいで、そこで見つけたのがセミナーでしたね。
――へ〜!ご自身でセミナーやりたいって進めていったんですね!
セミナーをやるために何したらいいかなって逆算して動いてましたね。完璧に逆算型なので(笑)
――セミナー業をされて、30歳頃に何かが変わったんですか?
そうですね。20代後半からサロンのマネージャーになり始めて、それで教育をやり始めて、本格的に形したいなと思ったのがそこから30歳にかけてでした。教育者っていう意識が出たのがその頃でしたね。
起点の1つになった「苦戦したこと」
――逆算して計画的にキャリアを積まれてきた中で、苦戦したことはありますか?
意外と、売り上げが100万円にいくまでは時間がかかったりしたんですよ。その頃SNS集客とかもなかったので、新規集客もしやすい場所でもなくて。顧客を付けるのって難しいなって思って、20代前半にホスピタリティとかファン化させる勉強をしたりしていましたね。23歳まではコンテストなどで技術の方に力を入れていたんですけど、そこからシフトしました。自分の起点の1つはそこかなって思いますね。
自分の軸を作る、迷わないための逆算思考のコツ
――枝村さんはいつも「自分に問う」ように考えられていますよね!そういった考え方や問題を解決するためのコツって何かありますか?
「書く」ですね。間違いなく、書くこと。 やりたい事と、やらなきゃいけない事を区別して書きますね。
――その2つにはどういう違いがあるんですか?
やりたい事は “優先事項ではないこと” もあるじゃないですか。将来のこの時までにやりたいこと、とか。カットを覚えるとかの『自分が今すぐにやりたい事』と、サロンの中で売り上げを上げる為とか先輩の技術のサポートだとか、『今すぐにやらなきゃいけない事』の軸を作ると、それぞれ優先事項が決まってくると思うので。そうすると短い時間でできる事と、長い時間をかけてやるべき事とが見えてくるから時間の使い方が上手になるかなって僕は思います。その軸は基本的に作るようにしていますね。
――なるほど。いつもInstagramのストーリーなどでもアウトプットを「書いて」いらっしゃるのをよく拝見していました。
今はもう整理できてるので全くやってないですけど、2年くらい前のコロナ禍の時はよく書いてましたね。今は書くことはほぼやってなくて、逆にそれでどれくらい出来るかなって試してます(笑)また書き始めるかもしれないですね。
――お話をさせていただいてると、枝村さんってすごくシンプルで無駄がない感じが伝わって来ます。
そうですね。(笑)二度手間とか、無駄が嫌いなんです。(笑)めんどくさがりなんで究極にシンプルにするっていう感じです。
――だから教えるのも上手でわかりやすいんですね!今すごく腑に落ちてます(笑)
だからか、ってなる内容ばかりですよ。だからこれからも何も変わらないと思います。
「人が好き」で自然に繋がる縁が枝村さんの人間力
――最近、私はたくさんの方とお会いする機会をいただいているんです。先日は三瓶さん、ゆうこさん、スガさんとお食事に行かせていただいて、お話を伺っているとみなさんが繋がるきっかけが全て「枝村さん繋がり」だったんですよ。もう凄いなって思いました! そんな枝村さんにとっての「人」と繋がる意味や、存在について教えていただけませんか?
何をするにも人がいないと何も出来ないなって思いますし、美容師の仕事もお客様がいないと出来ないことじゃないですか。だから人を大切にするっていうのは基本だと思っています。あと元々野球やってたし、チームが好きっていうのもあると思いますね。昔から友達もいっぱいいた方かなって思いますし、人が好きなんでしょうね。
――枝村さんの企画やアイデアなどで「人を繋げる力」が凄すぎるっていつも思ってます!
なんでしょうね。もう意識せず好きでやってるだけなんで、これだけは意識してないです(笑)
初心に帰れる両親の存在と頑張る意味をくれた家族
――色んな出会いがある中で、枝村さんが特に影響を受けた方ってどんな方ですか?
その時々でいらっしゃるんですけど、僕は両親からの影響が一番大きいと思いますね。 「慎ましくいること」や「調子がいい時は謙虚でいること」を教わってきて、実家に帰ると初心に帰れるんですよね。同じ仕事をしていたので話が合うっていうのもあります。
あと、結婚がはやかったのもあるかもしれないです。26歳の時に一人目の子供が生まれてるので、そうなると人生が自分だけのためじゃなくなるじゃないですか。“人のため” って思い始めたのがその頃でしたね。
――なるべくして、ですね。ご両親からも「人として」という部分を学ばれたんですね。
そうですね。頑張る理由が増えて、それが逆によかったのかもしれません。 両親には人間的に学ぶことが多かったですし、逆に父親を反面教師にして学んだりもありましたしね。(笑)
これからのキャリアの目指すところ
――なるほど。先日は中国に、今回は韓国に行かれて今もさらにキャリアを積まれていく中で、美容業界やご自身のことでこうして行きたいっていう思いはありますか?
「教育をセカンドキャリアにする」っていうのが僕の日本での目標です。教えられる人を増やして、カットの教育が根強く浸透するように動いていきたいです。 サロンワーク以外でのキャリアが生まれるっていうのを、色んな場所で作って行きたいなって思います。あとはそれをアジアでもやって行きたいっていうのがもうひとつの目標ですね。
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学びたい美容師さんと一緒に業界を盛り上げたい
――最後に全国の学びたい美容師さんに向けて
今はカラーとか色んな売れるためのツールが出ていますけど、カットは美容師として一生やっていくことですので、僕はすごく必要な事かなと思っています。 僕の技術でなくとも一から学び直す機会はたくさんあると思うので、ぜひ学んでいただいてお客様に還元していただけたらなって思います。 それでも足りないなって方は、僕と一緒に美容業界を盛り上げていただけたら嬉しいです。"
――枝村さんから勉強したい方は?
今年のアカデミーは、残念ながら既に満員で埋まってしまっているそうです。
「また来年色んな場所でやりたいなと思っているので、また募集をお待ちください!」とのことです^^
それ以外では、オンラインまたは書籍から学んでいただくことも可能です!
今後は枝村さんのカットの資格を作り、その方々によるアカデミー開催やアジアセミナーにも同行ということで、枝村さんだけでなく生徒さんもどんどん活躍の場が広がっていき、展開がとてもたのしみです!
プロフィール
枝村 仁(えだむら じん) PATINA|プロデューサー
1983年生まれ、茨城県出身。理容室を営む両親のもとで育ち、高校卒業後に埼玉県内の大型店に入社。山野美容専門学校の通信制に通いながら現場で技術を学び、15年間の勤務の中で教育やマネジメントまで経験し2016年に独立。 “三度の飯よりボブが好き” を座右の銘に、年間60本以上のセミナーやカットに特化したオンラインサロン「JIN’S ONLINE SALON 」を運営。アジアでもセミナーを開催するなど、美容業界の発展に最前線で貢献するカットの教育者。 Instagram:@jin_bob_cut