芝原さんはこんな方!

画像提供:芝原さん

「IJK OMOTESANDO」の代表。 25歳の若さで独立しており、カット、カラー、縮毛矯正、パーマなど様々な技術を得意としています。美容室経営以外にも様々な事業を手掛けており、現在行っている事業は、美容院、ジム、バー、エステサロン、ダイエット居酒屋の5つ。「自分が行きたいお店を作る」を方針として掲げ、多岐にわたる事業を展開されています!

入社1年でスタイリストに⁉芝原さんが経営者になるまで

――美容師になろうと思ったきっかけはいつだったんですか?

僕バスケが強い高校に行ったんですよ。もうバスケするためにそこに行ったんで、僕はそこのスポーツ科でバスケだけやってればいいって感じで。でも、スポーツ科なのになぜか成績が普通科の人と比べても学校で3番とかだったんですよ。

ただ、良い大学に行って自分のやりたいことが見つかるのかっていうのがあまりイメージが湧かなかったんです。で、なんだろうと思ったときに、僕中学校1年生ぐらいからワックス付けてたりとか、そういうおしゃれが好きだったんですよね。

それで、美容師いいなーみたいな。あとはまあいい大学行けって言われすぎてムカついて、「行ってやるか、絶対行かねー」って思ったんですよね、天邪鬼で。

 

――ちょっと人と違う道を選びたいみたいな。

そうそう。それでまあ、美容師いいなあと思って。で、行ってた美容室のオーナーさんにいろいろ相談したら、「まあ一番になりたかったら東京じゃないと無理だよね」っていう話になったんです。

なので、もう東京で美容師やるってのを決めて大阪の美容学校に行きました。だから卒業後はすぐに表参道に来て、入社して1年ジャストで21歳の時にスタイリストになりました。

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――その当時からするとありえないことですよね、1年でって。

そうそう。11年前ではめちゃめちゃ早かった。会社の最短記録でしたね。まあその変わり休みの日もずっと練習行ってって感じで、1年間で正月4日間とお盆3日の7日間しか休みはなかったです。で、1年でスタイリストになって、それから1年ですぐ指名売上100万くらいまでいったんで。

だから人生でフリーっていう指名なしのお客さん入ったことはほぼないですし、街で声かけてかけてお客さんに来てもらう「客ハン」を、1年間ほとんど休みなくやりました。それで、お客さん100万いって200万いってみたいな感じで、24ぐらいの時にはもうディレクターになりましたね。

で、カットコンテストでグランプリもらって、その賞金でロンドンのサスーンに行って、帰ってきて、会社で喧嘩して辞めて独立しました。

 

――喧嘩したんですね。ちょっと合わなくて?

そうですね。あんまりお客さんとスタッフ思いじゃないなって思うことが多くて。で、自分ならこうできるのにみたいな。うちだと美容師で給料50〜100万のスタッフとか全然いるんで。だからやっぱそういうの作りたいなと思って会社作った感じですね。

SNS、どう活用する?

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――SNSを始めたきっかけは何だったんですか?

きっかけ…。まあでも客ハンみたいなもんですね、SNSはお客さんを集める手段の一つとして始めたっていう感じです。まあ、僕はYouTubeは結局やらなかったですけど、若いころは全部やった方がいいと思います。

 

――とりあえず若い時に全ての限界を超えるみたいな?

そうです。何者かになりたかったらそれやるしかないです。新しいSNS出たらとりあえず登録してとりあえずガンガンやってみるとか、クラブハウスとかって下火になっちゃいましたけど、あれが鬼バズってた可能性もあるわけですからね。ってなったときに、先行者利益が絶対あるはずなんで。

新しくSNS出たら今あるものに加えて全部やってみることっていうのが大事じゃないですかね。みんながやってないからこそ今始めるのも手だろうし。とにかく若いうちにやれること、目に見えるとを全部やる。飲み会もそうです。全部の飲み会行くとか。大物になりたいとかビッグになりたいのであれば、やってみたらいいじゃんと思う。

分析・細分化・目標設定。成功者の脳とは

――スタイリストになるためにこだわってやったことはありましたか?

あー。例えばウィッグを100回切らなきゃいけないっていうカリキュラムがあるとするじゃないですか。 100回かーってめちゃくちゃ長く思う人もいるだろうけど、別に1日3体切ったら1カ月で終わるじゃんってだけの話なんですよね。

だから例えば、ワンレングス10回切って試験受かったら合格であれば、別に10回ぐらい、朝と夜練習して1日3回やれば3,4日で終わる訳じゃん。一週間でワンレングス受かる、一週間でレイヤー受かるみたいに、5つのウィッグカリキュラムがあるとするなら、別に5週間でそのカリキュラム終わるじゃん?みたいな脳なんですよ。

 

――ざっくり抽象的に物事を捉えるんじゃなくて、冷静に細分化させて考えるんですね。

そうっすね、それは大事です。やるってなったらやる。カリキュラムなんか絶対ゴールがあるんですから別に余裕です。経営のほうがゴールがないんで、そういう意味ではずーっとやっぱ苦しいですよね。いつまで経営本気でやるんだろうとか。

周りはいろいろ企業の社長とか本当にすごい方ばっかりでなので、みんなに経営のこととかめちゃくちゃ聞くんですよ。まあバイアウトが目的の人もいれば、一生経営者だよっていう人もいるんですけど、自分のゴールがなんなのかっていうとまだ正直よく分かってなくて。ゴールがないから経営者の方がよっぽど大変ですね。カリキュラムはゴールがあるものなので余裕ですよ。

 

――ここまでいったらこうなれるっていうところがもう決まってますもんね。

なのでアシスタントの時はカリキュラムやってました。スタイリストになったら今度はお客さん必要なんで、休みの日はずっと客ハンやるんですよ。今はSNSが出来たから客ハンってだいぶ下火だと思うんですけど、当時は本当にすごくて、ライバルが多いわけですよね。なのでいろいろ研究しました。

青学前で表参道で美容師やってますって言っても、他からも無限に声かけられてるんで勝てないわけですよ。だから早稲田生とか狙って高田馬場にも行ったんですけど、高田馬場は駅の構造的にあんまりキャッチに向かない。

駅ごとにそういういろんな属性があるんですよ。新宿駅も西口はOLさんが多くて、東口は歌舞伎町があるんで夜の方が多いとか。だからそういうのをいろいろ分析しましたね。

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結果、成城学園前にたどり着きました。成城学園はお嬢様学校なんで、幼稚園から大学までエスカレーター式で上がってく人が多いんだろうな、ってことは実家暮らしが多いだろうな。実家住んでて親からすごい大事にされててってなったら、おそらく親と同じ美容院に来るんだろうなっていう。で、成城学園ミスコンないんで、やっぱ青学とか早稲田のミスコンとかに憧れるのもあるし。

だから、表参道とかの美容室には憧れはあるけど、なかなかやっぱり親と一緒のとこ行ってるっていう人が多いんだろうなって。で、まあお嬢様だからお金があるわけですし、成城学園前で表参道で美容師やってるんですけどって言ったら「えっ、じゃあなんでここにいるんですか?」ってなってちょっと話聞いてもらいやすい。いろんなことで行きついた結果、そこになりました。

あとずっとやってると時間帯によって人の流れが変わるんですよ。やっぱり授業の前後はすごい大学生が通るので、それに合わせて行って声かける。で、授業全部終わったらそこから新宿に異動して、5時から7時はOLさん多いから西口、それ以降は夜の子が多いから歌舞伎町ある東口に行く、みたいな。

そうやってると大体何人声かけたら何人捕まるなって分かってくる。大体20人ぐらい声かければ1人捕まるとかね。だから、じゃあ今日は何人捕まえて、から何人声かけてに変わるんですね。何人捕まるかは相手の意志によるんでわかんないですけど、5人でいいんだったら、20人に声かけて1人捕まるってことは100人に声かけるとか。自分の行動に対して目標設定をするって感じですね。

 

――すごくシンプルですけど、でもなかなか難しいですよね。

まあ、心を決めたことをやりきるっていうのを、アシスタントのときもスタイリストでもやってきて今って感じなんで。やっぱりやれば結果になるんですよね。経営とかってコロナみたいに絶対予想がつかないイレギュラーなことがあるから大変だし難しい。

まあとはいえ僕は人生かけて攻略する最難関のゲームなのかなと思ってます。死んだら0になるんで。人生掛けてのゲームをしんどいながらやってんのかな?みたいな感覚ですね。

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事業と幸せの連鎖「社員の幸せの可能性を1%でも高めてあげる」

――コロナ禍での営業はやっぱりハードでしたか?

そうですね、結構影響受けたので。バーとかはオープンして半年でコロナになって、もう本当に地獄みたいでした。でもデリバリーやったので、そのおかげでなんとかなりましたね。配達まで自分たちでやったんです。外注すると手数料とられちゃうしすごい雑だったりとかして、やっぱり自社の評判を下げてしまうことが一番良くないなと思ったので。

例えばあったかいものにカイロを入れて冷めないようにとか、そういうのがすごい大事なんですよ。それでまあ僕自身も配達したんで、「芝原さんがまじで運んできたよ、じゃあ頼んでみよう」みたいな風にもなって。そういう感じで6週間で1800食オーダーしてもらいました。まあやっぱりかなりの売上になるので、そういう感じで乗り越えてきたっていう感じですね。

やれることを一個ずつやっていきました。何もかもやるしかないんで。

 

――今5つ事業されてますが、今後強化していきたいところはありますか?

あーそうっすね…。従業員の人生を考えたときにどうやったら幸せになるんだろうっていうのを考えてるんです。なんだろう、僕らが社員に対してできることって、幸せになる可能性を高めるぐらいしかできないなあと思っていて。

僕らが社長として関与できないところで不幸になってることもあるので、全社員を幸せにしたいと思ってるけど、それが不可能だなっていうことに最近気づいたんです。

なので、幸せにできる可能性を1%でも高めてあげるのが社長としての仕事なのかなと思っています。例えば休みが取れるとか、そういうところにまず尽力をしていきたいなというのがありますね。

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――まず一番に社員さんの幸せを考えられているんですね。

自分自身もずっと仕事やってきてめちゃくちゃ仕事脳なんで、基本的に休みがあまり好きじゃないんです。一日どっか旅行に行くにしても絶対何かものを書くために行くとか、なんか仕事だと思っちゃってるんです。

でも、じゃあ「今あなたの幸せなんですか」って自分自身でも見つかってないんですよ。でもそれを探したいなと思って、最近趣味をめちゃくちゃ増やしたり旅に出たりはするんですけどね。まあ美容師として第一線でやってきて売上も知名度もありますけど、その僕が幸せをまだ見つけられてないってことは、多分下の美容師も見つけられないので。

趣味増やす、旅に出る、いろんないいとされているものを経験して、じゃあどうやったら幸せになるかっていうのを探す。それで、幸せになる可能性を高める一歩をみんなに提供できたらいいかなと思ってるんで、事業の展開は今はあまり考えてないですね。

 

――美容師さん自身が幸せじゃないとお客様も幸せにはなれないですよね。

美容師嫌いな人に髪の毛切られたくないでしょっていうことです。みんな美容師はもう労働環境最悪だーとか文句言いながら働いてるんで、そんな奴に自分の髪切られたくないでしょ。

僕たちはお客さんを幸せにする仕事ですけど、幸せっていうのは余っている人がやっと分け与えると思っていて。幸せじゃない人が幸せにするなんて無理なんですよ。分け与える程の幸せを持ってないんで。

だから、その幸福というものをまず人生単位で作ってあげて、その人たちが作るものっていうのがお客様に連鎖してお客さんも幸せになった結果、売上とか会社とか、大きくなるのかなと。

「芝さんで良かったです」その言葉が何より嬉しい

――経営をやってて嬉しい瞬間はどんな時ですか?

うーんと、そうですねー。嬉しいのは従業員が自分よりいいカバン持ってるとか。あとはプレゼントの手紙とか言葉とか、嬉しいものは全部取っておいてます。なんか、僕が使ってるコップ割れたときに、1000円くらいだと思うんですけどそれでも買ってきてくれるとか、そういうのだけでも嬉しいんで。

それと従業員からの言葉ですかね。「芝さんで良かったです」「芝さんのおかげで」とか。それ以外に、年商何億いったから嬉しいとかはあんまないですね。

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――やっぱり人と人というか、自分が大事にしたい人たちが本当に幸せな瞬間が一番嬉しいですか?

そうですね。経営陣にしかできないことが一個あると思ってて、やっぱ美容師さんってお客さんしか幸せできないと思うんですけど、僕ら経営者はお客さんとスタッフを幸せにできるんですよ。

もちろん従業員同士でご飯行って幸せとかあると思うんですけど、大きいくくりで考えた時に従業員の人生背負って幸せにできるのは、経営陣だけしかいないんで。

そこを出すのは凄い大変だし、だけどその幸せは経営陣にしか得れない幸せ。だから、そこは経営者やってて楽しい所なのかなっていう風に思っています。

 

――何もなかったところから生み出すのって社長にしかできないじゃないですか。けどゼロイチを作るって本当にきついし、一回やってしまったらもう後戻りできないですよね。

そうです。でまあ、今の世の中的にはやっぱり経営者が凄く生きづらいんです。税金もそうですし、保険も高いし。労働環境改善ってなってますけど、形式的にはすごいしんどい部分が多々ありますね。最低賃金も上がっていきますし。

それに対してずっと会社の状況ってよくしていかなきゃいけない。停滞していると最低賃金とか税金がどんどん上がってくるわけですから、どんどん苦しめられてくるんで。伸びるしかないんですよ。

オールAである必要はない。芝原さんに聞く、経営者に必要な心構え

画像提供:芝原さん

――今いろんな事業されてると思うんですけど、美容室経営においてのアドバイスをおうかがいしたいです。

うーん、人件費かけることですかね。お給料を高くするために何をすべきなのかを考えるってことです。求人広告は今まで一円も使ったことなくて、その分が浮いてるから還元できる部分もあるでしょうし。

人件費かけるなって経営者も結構いるんですよ。けど僕はそこに重きを置いていて、人件費にパーセンテージを割くためにそれ以外をどこまで削れるかっていう勝負をしてます。

 

――何がきっかけで人件費に重きを置くってなったんですか?

自分が給料低かったからですかね。給料低いとやっぱり人は付いて来ないですよ。結局自分ひとりでできることって本当に限られてるなって思うんで、従業員は大事です。

経営者ってなぜか自分の事をオールAでいなきゃいけないと思ってしまうんですけど、そうではなくて、別にEがあってもいいんですよ。そこを補ってくれる仲間がいるかどうかがすごい大事。

あと、自分が全てのことにおいて従業員より優れていて、オールAだと思い込んでる人もいるんです。だから、そこでなんかおかしくなっちゃうんです。自分より優れているところがある従業員もいるはずなのに。うちの会社で言うと、僕よりカリスマ性ある人間はいないけれど、僕より細かい仕事ができる人間はもちろんいるし。

そこをしっかり評価して、自分より凄いところを認めて任せていくってことをしないといけないと思います。オールAである必要もないし、オールAなわけもないし、オールAだと思い込まないようにする。

「死んだときにいい人生だったと思えるかどうか」

――今後のビジョンをおうかがいしたいです。

なんですかね、本当に幸せになる方法を探しているので。なんかこう言うと病んでるみたいですね(笑)。でも本当に、死んだ時にいい人生だったなと思えるかどうかじゃないですか。

それで言ったら別に僕は今死んでもいいですね、そこがゴールだったら全然受け入れます。まあ残された従業員と、今後どうすんのみたいなことはありますけど、やり残したことはないので。

 

――美容室をどうしていきたいなどないんですか?

僕は店を持つのが目標だったんですけど、それが大きく間違っていたなって自分で気づきました。店を持つことが夢って、ゴールそこで達成されるじゃないですか。でも持ってからの方が大変なんですよ、当たり前ですけど。それがゴールだと、その先どうすんの?って話になるので。

だから美容室を持つことがゴールではなくて、その結果どこまでっていう目標を立ててやっていく方が健全なのかなと思いますね。僕はいろんなことやってるんで次の展望とかってよく言われるんですけど、僕自身自分の店持つことをゴールにした結果、今夢の続き歩いてるみたいな感じなんで、やりたい事が実はそんなにないんですよ。

まあ細かいところでいうと、通販やっていきたいとか、あと今プロテイン作ってるんで、プロテイン事業を始めるとか。まあでも新商品出すだけみたいな感じで、あんまり事業の展望って感じではないですね。幸せになれればいいです。

芝原さん自慢のIJK雇用条件✨

IJK OMOTESANDO

【営業】

・平日:12時~21時
・土日祝:10時~19時
※出勤は営業時間の1時間ほど前だそうです!

【休み】

・毎週月火定休(月曜日が祝日の週のみ火水定休)
・お正月休み7日間、お盆休み4日間

【特典】

・炊飯器のご飯食べ放題(海苔やふりかけ味噌汁なども常備)
・系列店のエステにほぼ無料で通える
・系列店のジムに週一回無料で通える
・系列店の飲食店50%オフ

芝原さんのプロフィール

芝原俊輔(シバハラ・シュンスケ)

1990年 大阪府生まれ。高津理容美容専門学校を卒業後、東京・表参道の有名美容室に入社。入社1年目にスタイリストデビューを果たし、社内最短でトップスタイリストに昇格。ロンドン・ヴィダルサスーンアカデミーへの留学、ヘアショー・ファッションショーを経験。25歳で独立し、2016年に「IJK OMOTESANDO」を表参道にオープン。縮毛矯正の技術力が評判を呼び、2019年に拡張移転。美容室の他にも深夜食堂やパーソナルトレーニングジムなど、多岐にわたり事業を展開している。

EDITOR’S REVIEW

今回はIJK芝原俊輔さんにインタビューさせていただきました。

何よりも社員の幸せを第一に考え、社員を尊敬し、助け合っていく。そんな社員思いなお人柄がよく伝わってきましたね。カリキュラムの捉え方や目標設定の仕方など、実践的な考え方も勉強になりました。

「自分の店を持つ」というゴールを達成された芝原さんですが、まだまだプランはある様子…。今後のご活躍にも注目です!