ファッションカラーの活用で「脱白髪染め」
四方田
本日は『リピートを叶える、脱白髪染め』と題し、白髪染めを使わず、ファッションカラーをうまく活用した「脱白髪染め」のモデル施術をFILMSの廣瀬さんに施術していただきます。
廣瀬さん
FILMS銀座店の廣瀬と申します。
僕は普段から、白髪染めをほとんど使っていないんですよ。
白髪染めを使わないことによって、色味の幅やデザインの幅が広がるからなんです!
「白髪染めを使わなくてもこんなに染まるんだ」とか、「こんなに馴染むんだ」みたいな明日から実践できる部分を見ていただけたらと思います。
よろしくお願いします。
廣瀬 保嵩 (ひろせ ほだか)氏
FILMS GINZA|店長
滋賀県出身。美容専門学校後、関西のサロン1店舗を経て2018年に上京しFILMSに入社。現在は銀座店の店長を務めながら、セミナー講師としても活躍中。撮影やセミナー講師で培った独自の骨格診断を駆使したパーソナルな似合わせ技術が人気。
Instagram: @hodastagram
モデルさんの履歴と白髪ぼかしの褪色
廣瀬さん
今日のモデルさんは、毎月来てくださっている僕のお客様です。
【Beforeの状態】
・リタッチは1センチほど伸びている
・白髪率は70%ほど
・顔周りには白髪率100%の部分も
廣瀬さん
前回も白髪染めを使わずに、資生堂プロフェッショナルさんのファッションカラーのアルティストで染めました。
毛先は褪色後でこのくらいの色味ですね。
暗く染めるからこそ、根元が気になるみたいなパターンも多いんです。
こうやってぼかしてあげると、伸びてきたときも気になりづらいっていう意見を結構いただきますね。
四方田
褪色後の色なのにとても綺麗ですね!
廣瀬さん
赤みも出ないし、白髪も浮いてないです。
キラキラ光る感じも全く無いですよね。
気になる!白髪がぼけるファッションカラーレシピ
廣瀬さん
では早速、根元のカラー剤を塗っていきましょう。
カラー剤は資生堂プロフェッショナルさんのファッションカラー「アルティスト」です。
アルティスト〈医薬部外品〉80g
『ゆるぎなく美しい発色とつややかな髪色を繰り返し楽しめる独自発想のヘアカラー』
(引用元:資生堂プロフェッショナルHP)
廣瀬さん
【根元の選定】
CG11:CB3=1:30%
OX 6% 等倍
【毛先の選定】
CG9:CB9=5:1
OX 3% 等倍
四方田
「脱白髪染め」の施術で、気をつけてることを教えてください。
廣瀬さん
なるべく時間を置けるように、お客様が一番気になるお顔まわりなどの部分から塗ることです。
あとは白髪染めくらいの塗布量と、薄く選定しないことですね。
四方田
資生堂プロフェッショナルさんのアルティストの特徴はなんだと思いますか?
廣瀬さん
香りがいいことと、粘度がやわらかいので、毛量が多い方でも塗りやすいことですね。
資生堂プロフェッショナルさんはスキンケア発想なので、ヒアルロン酸(※)が配合されていることも特徴なんです。
知名度もありますね。
※アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム(毛髪保護剤)
毛先の薬で、中間を塗っていきます。
資生堂プロフェッショナルさん
カラーのメニュー価格はいくらぐらいでしょうか?
廣瀬さん
全体カラーが税込9,100円で、アルティストはそこから+税込1,100円です。
いいものを揃えているのにおすすめしない方が失礼だと思っているので、きちんと薬剤の説明をして、お客様に選んでいただいてますね。
製品だけじゃなく乾かし方など、お客様に何か持って帰っていただける様なご提案をみんなで心がけています!
資生堂プロフェッショナルさん
どのぐらいの白髪比率の方でもこの選定でいきますか?
廣瀬さん
白髪率が100%くらいの方だと、CG11:CB3=1:1(7レベル想定)くらいの選定にします。
今日のモデルさんでいうと、こめかみの下は白髪比率100%なので、この選定で行くとちょっと薄いと思うんですよ。
なので部分的に白髪率が高いところには、上から濃いカラー剤を重ねたりもします。
目分量にはなるんですけど、僕はいつもCB3を最後に組み合わせて暗いカラー剤を作っていますね。
廣瀬さん
毛先はダメージレベルが違うので、中間の薬にクリアを組み合わせたものを塗布していきます。
残量に対してクリアを大体30%ぐらい組み合わせることで、中間との色味の幅が合うようになるんですよ。
ーー白髪染めからおしゃれ染めに切り替えるときのご提案が知りたいです。
廣瀬さん
アルティストには13レベルのカラー剤があるのでトーンアップをご提案したり、細かいハイライトをご提案しますね。
エイジング毛の方が多いので、なるべく髪に負担にならないようにトーンアップしてあげることを大事にしています!
カラーが塗り終わったので、お顔まわりはペーパーをして25分ほど置きますね。
必見!6パターンのレシピを公開
四方田
アルティストはファッションカラーなので、本当に白髪が染まるのか私はまだ半信半疑なんですよね〜。
廣瀬さん
染まります!笑
資生堂プロフェッショナルさん
アルティスト自体がグレーベースなので、白髪馴染みがすごくいいんですよ。
白髪の毛束を6種類のレシピで染めてみたので、見ていきましょうか。
TGを使ったレシピ
廣瀬さん
左側の毛束が白髪率50%で、右側の毛束が白髪率70%以上です。
【毛束のカラーレシピ】
CG11:TG3=1:20%
OX 6% 等倍
【毛束のカラーレシピ】
IB11:TG3=1:20%
OX 6% 等倍
【毛束のカラーレシピ】
BG11:TG3=1:20%
OX 6% 等倍
四方田
おお〜。きちんと染まっていて、透明感もあっていいですね。
廣瀬さん
寒色系のおすすめは TGが入ったレシピですね!
CBを使ったレシピ
廣瀬さん
先ほどと同じく左側の毛束が白髪率50%で、右側の毛束が白髪率70%以上です。
【毛束のカラーレシピ】
CG11:CB3=1:20%
OX 6% 等倍
【毛束のカラーレシピ】
IB11:CB3=1:20%
OX 6% 等倍
【毛束のカラーレシピ】
BG11:CB3=1:20%
OX 6% 等倍
廣瀬さん
白髪率が多い方には、CBが入ったレシピが安定感があっていいですよ。
ちょっと温かみを感じます。
四方田
いい色ですね〜。
廣瀬さん
白髪染めだと色味がどうしてもブラウンになっちゃうと思うんです。
アルティストのカラー剤は、アッシュとマットでちゃんと白髪が染まるので、色の幅が出せるんです。
ーー次回来店の周期は、どれくらいの方が多いですか?
廣瀬さん
1ヶ月周期で、リタッチ→フルカラー→リタッチの周期の方が一番多いですね。
白髪染めを使用していた時よりも、白髪が気にならないというお声が多いんです!
ーーカラーの選定の理由を教えてください。
廣瀬さん
僕は、残留を残さないことを一番大事にしているので、高アルカリの薬に、濃い色味を組み合わせています。
アルカリが低いと、白髪じゃないところに色が溜まりやすいんです。
ベースを削って色落ちを明るくしたい方には、今回のような選定を使っています。
エイジング毛でも艶感!品のあるハイライトのポイント
四方田
「脱白髪染め」のお客様にハイライトをご提案することも多いとのことでしたが、どんなふうに入れているのか、ポイントを教えていただきたいです。
廣瀬さん
お客様の毛流れに合わせて入れることがポイントですね。
このデザインはスライシングでアルミ10枚でできます!
お顔まわりの毛束は、一番白髪が生えやすいので、しっかりアプローチしていきます。
簡単に、誰でもできるハイライトです。
お顔まわりは一番見えるところですし、デザインを入れやすいポイントです。
10枚で終わるエイジング毛へのハイライトのポイントはアーカイブから!
ライブの39分〜からご覧いただけます。
・ハイライトの入れる位置
・つむじ周りの取り方のポイント
・髪の毛を動かした時のハイライトの見え方
・エイジング毛のハイライトをチップにしない理由
簡単に単価UPできる品のあるハイライトのポイントが盛りだくさんです。
品のある髪へと導くカラーと骨格矯正カット
廣瀬さん
25分放置したので、カラーをチェックしましょう。
もう明らかに染まってますね。
では、お流しに入っていきます。
四方田
カットとカラーで、気をつけていることを教えてください。
廣瀬さん
品のある髪にしたいので、カラーをするときは傷めないことですね。
「髪を美しくすること」が大義なので、綺麗な髪を育てていくために、カラー剤やケア剤のご提案もしやすくなります!
カットは、必要以上に傷つけないこと。
お客さんの毛流れや骨格のバランスがちゃんと美しい形になるように補正しながら切ることを心がけています。
この後、骨格矯正カットのこだわりもしっかりお伝えしますね!
廣瀬さんの骨格矯正カットのポイントはアーカイブから!
ライブの1時間12分〜からご覧いただけます。
・綺麗に髪を育てる為のこだわりの質感の作り方
・ハサミを入れる位置
・スライスを取る位置
明日から使えるポイントが盛りだくさんです。
透け感が気になる方への対処法
四方田
チェックのとき、白髪の部分の色の入りが甘いときの対処法はありますか?
廣瀬さん
今回の選定で染まらなかったことはないですが、透け感が気になる方は、比率をちょっと変えるか、アルカリを11じゃなくて9とかに落としてあげるとか。
カウンセリングの時に、「過ごしてみて、もし気になったら直しに来てください。」と伝えています。
廣瀬さん
全然白髪が気にならないですね。めちゃくちゃ透明感もあって。
四方田
艶もすごいですね〜!
仕上がり
「髪を美しくすること」を大義にしている廣瀬さん。
艶があり、綺麗にまとまった説得力のある仕上がりです。
グレーベースで白髪馴染みのいいアルティストを使用し、残留を残さないことを意識した選定。
褪色後も綺麗で白髪が気になりづらくなると、リピートしたくなること間違いなしです!
(引用元:資生堂プロフェッショナルHP)
最後に
四方田
廣瀬さん、今日はありがとうございました。
改めて、最後にメッセージをお願いします。
廣瀬さん
皆さん見ていただきありがとうございます。
僕はスタイリストになりたての時、メニューをアップすることに抵抗がありました。
でも今は、勧めない方が失礼だと思っています!
提案するために大事なことは、説明できること。
お客様が情報を知るのは無料なので、一旦伝えてあげて、興味がある方にはやってあげるのが一番早いのかなと思います。
「脱白髪染め」をぜひ、提案してみてください!
白髪染めを自宅ではなく、美容室でするメリットを再認識できるライブでした。グレーベースだからこその白髪馴染みの良さを、アルティストを使用してぜひ体感して欲しいです^^ハイライトの施術は時間がかかってしまうイメージですが、廣瀬さんの方法なら時短で髪への負担も少なくできますよね。顧客様へのご提案もしやすい内容ですので、さっそく明日からのサロンワークに『綺麗な髪を育てるための施術』を取り入れてみてくださいね!